オルトレマーレの星ひとつ | ナノ
オルトレマーレの星ひとつ
▼05
ランキングフゥ太を骸氏に渡し、私は自室へと戻る。さーて、骸氏はどうやってランキングフゥ太から聞き出すつもりなのだろうか。



…そう考えていたが、答えは実にシンプルだった。
1時間ほどしてから骸氏に呼ばれ、彼の部屋へと向かう。ちゃんとノックをしてから中へと入ると、そこには骸氏とランキングフゥ太。こちらを向いたその眼に、全てを理解した。

瞳いっぱいに光があふれていたその目は、今は黒く濁っている。
マインドコントロール、なんて言ってみれば簡単だが、骸氏は滅多にしない。なんだ、この子は何も言わなかったのか。よっぽど十代目が大切だということだろう。

「骸氏。」

「なんですか?」

「ボンゴレ十代目、誰かわかったんでしょ?連れてくるよ。」


ランキング能力さえ使えれば、居場所を聞かなくても誰だかわかるだろう。そんな意味を込めて骸氏の方を見る。だが、躯氏は首をすくめた。どうしたと言うのだろうか。


「無理でした」

「はぁっ?!」

「乗っ取る寸前に、ランキング能力が使えなくなってしまったみたいでしてね。少々やりすぎたようです。」

クフフ、と笑う骸氏に溜息が漏れた。笑い事じゃないだろうに、何がそんなに面白いのやら。

「大丈夫ですよ、昴。まだ活路を見失ったわけではありませんから。」

そう言って渡してきたのは一枚の紙。
そこには【並盛中の喧嘩の強さランキング】と書かれていた。きっとランキングフゥ太のものだろう。

「ボンゴレ十代目が並盛にいるということは、その部下も潜入している可能性が高いです。とりあえず、片っ端から片付けてきて、情報を持っていそうな者を見つけてきてください。」


まあなんと物騒な。途中でボンゴレ十代目が気付く可能性も考え、順位の数だけ歯を抜くことにするらしい。ランキングの通りだと気づけば、私たちの情報を探ってきてあちらから乗り込んできてくれるだろう。


「柿本と城島は?」


「先に行っています。とりあえず昴は21位狩りをお願いします」


「…はーい」


地道に探すとは、なんとも面倒くさそうだ。


まあ仕方ないかとまた溜息をつき、私は部屋を後にした。


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