サイコロを積み続ける程度の人生
今日も一個ずつブロックを積み上げる。
俺の家は昔からこういうことをしている家だった。
一族の中の誰よりもこの能力、修復と捏造に長けていた。
何より俺はこの能力が気に入っていた。
いつぞやに同期生とやったパズルゲームと似ていて楽しい。
今日もごちゃごちゃに積み立てられた建物の合間を駆け抜けて、そのてっぺんに向かって行く。
高い場所か、すぐ近くでないとこの能力は使えないのだ。
荒川城砦のてっぺんに立ち、俺は小さく深呼吸する。
深呼吸の後、指先で四角形を作り、がらくたの街の一区画、数日前に倒壊した地区に向かって降り下ろす。
ガコンとなんだか鈍い音がして、少し粗末な建物がその場に収まる。
俺は建物を作ったり修復する能力なのだ。
最近は面白半分にこの区画を高く高く育てているが、学校での俺の扱いは酷いものだ。
同じクラスの生徒会長が高等部の生徒会長と決闘した時には窓の修理にあてられ、他にも校舎の一部が削れただとかで修理に駆り出された。
俺はもっと自由に、好きなように建物を建てていくのがすきだった。
昔ながらの平屋が一番理想的だが、平屋は組み立てるのには向いていない。
仕方なくコンクリートの箱をどんどん組み立てていき、城砦の新しい建物を作っていった。
こうしている時が一番何もかも忘れられて楽しい。
不意に後ろから来た足音に振り替えると、姉がむくれていた。
もうすぐご飯だ。
帰らなくちゃ。

おわり
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