「ほう、これが噂の箱で?」
「随分と手に入れるのには苦心いたしましたよ。」
「中身は確かめたのですか」
「…えぇ、まぁ。」

暗い部屋でひそひそひそ。
二人の男が話し合い。話し合い。
手に持つ箱を右から左。
男がにこにこ受け取った。
男がしずかに、箱あけた。

「…なるほど」
「アレがご執心なのもこの中身でしょうなぁ」
「あぁ、だろうな。」

すぅすぅ眠る箱の中身。
綺麗な綺麗な女性の生首。
柔らかな敷物の上で、すやすや寝息。
音を立てずに箱に蓋して。
持ってた金色左から右。
男がにやにや受け取った。
男がにこにこ手渡した。




嗚呼、なんて愚かしい!





「確かに賜りました。後ほど彼に届けておきましょう」
「へへぇ、また贔屓にどうぞ」
「しかし、お伺いしたいことがあります」
「なんでしょう」
「男がいたはずですが、どう出し抜いたので?」
「あぁ、それは…」


ひそひそひそひそ。
まだまだ話す。まだまだ話す。
よるはまだまだ、長いのです。


「この子が起きたときの顔が楽しみだ」


それはそれは、いい笑顔。




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桐箱(指ちゃん入り)が盗まれちゃった☆

盗まれた先は、ご想像にお任せ

mae//tugi
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