※戦国パロ
※イドルが好き放題してる


 その者に作れぬ絡繰は有り得ぬ、と男が言った。其の手には見たことも無い絡繰がひとつ。

 技師、鋳鍍屋。

 そう呼ばれる者が其れを作り上げたと言う。素性の知れぬ存在で持つ智恵は全てが尋常成らざる絡繰技師…等と聞けば些かその存在を物の怪か妖かと危ぶみたくもなる。だが、男は確かに鋳鍍屋の絡繰を手にして居た。つまり存在はあるということだ。しかしそれは到底、あっては成らぬ未知の遺産。今生で出逢っては成らない魅惑と破滅の存在に相違ない。
 拳銃と鋳鍍屋が呼んでいたと言うそれは種子島より遥かに小さいが、其れよりも断然扱いやすく、更には十二分な威力をまざまざて見せつけた。何処ぞの大名の手に鑄砥屋が堕ちれば天下泰平も容易いと言わんばかりに。
 其れ故、大名共は挙って技師を探していると言う。忍びが草の根を分けてでも探していると聞いたが、未だ発見の報告は無いとも。
 血眼で各地の者が追えども見当たらぬと云われれば、やはりそれが妖の類だとしても頷けるものがある。
 譲り受けたその拳銃とやらを凡ゆる角度で見てみたところで、その構造の複雑さと精巧さに愕然とするだけだった。

「おにーさん、面白いもん持ってるねぇ」
「!?」

 突然声がしたと思えば、庭の垣根の向こうに人影があった。よもや何処かの忍びか何かかと警戒すれど、それは此方を見ているだけのようだ。
 垣根で姿は見えぬが、隙間から此方を伺う赤とも金とも取れぬ目が笑っている。その視線は確かに拳銃を見ているが、其れに特別な興味を示していはいない。強いて言うならば持ち主を、私を値踏みしているかの様な薄気味悪く腹立たしい、そんな目線だ。

「何者だ」
「んーん?ソレ…試作品003番だな。そんなガラクタをしげしげと眺めてるから面白いと思ってねぇー」
「試作品?まて、何を言って」
「ソレよりもうちょっと良いのも作れるんだよねぇ、俺」
「此れよりもだと?そんな法螺を…いや…」

 まさか、という思いだ。冗談にしては悪質極まりないが、もしも紛れもない事実だとすれば、垣根の向こうにいる人物の正体はただ一つ。

「おにーさんはどうしてそれを?」

 まるで鬼の手引きか、誘惑の囁きの様にその声は心の底に沈めたものを引き上げる。そうするのが当然とばかりに。其れが真理とばかりに。何時の間にか黒衣と長い黒髪を靡かせる美男が目と鼻の先に立っていた。その目は先ほどから此方を見ていたあの瞳。

「貰った。友に。」
「そ。害獣駆除に困ってるって言ってたからねーそれやったんだよ」
「ではやはり、貴方が、あの技師・鋳鍍屋…?」

 男の口元が至極愉快とばかりに弧を描いた。








イドルだけ洋名じゃん編:
「急に山の方に落ちてきたもんでな、天狗かとびっくりしたわい」
「あぁ、うん、どうも」
「名前は何と言ったかの…」
「イドル・T・デューだよ」
「ほ?いど…なんじゃって?」
「イドル、てぃー、でゅー」
「いどう てー でー?」
「いーどーーるーー!」
「いどう?」
(その後10分ほど続く)
「…イドルっつってんだろ!?耳わりぃなクソババア!」
「聞きなれん言葉を使うほうが悪いんじゃ(べしん」
「いたぁ!?」
「まったく、助けてやった恩人をクソババアとはとんだ不幸者じゃの!(べちん」
「ぎゃ!なななななにそれ痛!!!(涙目」
(以下略)
「で、名前は何と言ったかの。いどやじゃったか?」
「それでいいよもう…(瀕死」


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絡繰王とか、傾国の絡繰技師とか色々考えつつ
”絡繰技師・鋳鍍屋”が基本な。

あと、イドルくんが神性なにそれ美味しいのばりにおばちゃんの箒に弱い。

mae//tugi
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