※ちょいグロ
※前ページのモブ視点





一瞬だった。

一瞬で、20ほどいた部下が、死んだ。

あっという間、よりも早かった。瞬きをした瞬間だった
瞬きが終わると、すでに部下たちは地に伏せていた。体だけが地に伏せていた。いや、体はまるで黒い大地にずぶずぶと沈み込むようにも見えた。そのどれにも首がなかった。いや、首はゆっくりと地面に落ちていく途中だった。そうだ、黒い地面。黒い影が男を中心に周囲の地面を埋め尽くした。それが変幻自在というように動いては命を、首を、刈り取った。刈り取るなんて生易しいものではなかったように思える。あるものは後頭部から頭蓋を貫通した。あるものは顔を覆われ息ができず。あるものは顔を削ぎ取られ。あるものはねじ切られ。あるものは上からとけて。切りがない。だがどれも惨たらしかった。しかしその様子は見えなかった。見えなかったはずだというのに。私の脳裏にははっきりとそのひとつひとつが焼きついている。ゆっくりと見せつけるように、一人また一人と死んで行く。永劫にも似た長い時間をかけて。そうして私以外の全員が地に伏せると、黒い影も消える。最初からいなかったと言わんばかりに、跡形もなく。ただそこに無数の血と肉片をばらまいて。

目を開ける。男が笑った。逃げ場などもうどこにもなかった。



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生き残った忍者さんの目撃したもの。
というか、みっつんがわざわざ脳裏にぶち込んだ光景。
このモブ忍者はこれから光成にパシリにされる運命にあります。

そうだな、野間とかという苗字でもいいのかもしれない。

mae//tugi
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