※たまには逆襲される話
がきんっ
勢いよく振り下ろされた杭が左腕を打ち抜いた。これで四肢を杭によって地面に縫い付けられたが、いまだになにが起きたかわからない。痛覚はオフにしてあるから問題ない。
「神父さま?」
「この程度では効きませんか」
淡々と神父さまが次の杭を手にする。鈍く光るそれには、よくみれば忌々しい術が施されて……
「あぐぁ…っ!?」
「おや。古の聖術は効果があるんですか」
「…う、そ……っが、ぁぁああ!」
腹に打ち込まれた杭から、全身に痛みが走る。ぐっ、と力を込められ口から悲鳴が漏れた。意識が飛びそうなどということもなく、痛い痛いと無様に叫べば、喧しいと言わんばかりに釘が首に打たれる。これは、まるで。
「悪趣味な標本みたいですね。」
「かひゅ…ひょ、ほ…?か、んべ…ん」
顔だけは綺麗ですしね、と触れられる。いつもみたいに優しい手つきだというのに!
「イドルさん、こんなのもあるんですよ」
まるでなんでもないように、私の体に棘を突き刺す。突き刺す。余りの痛みに、痛覚はショートした。いつ終わるともしれぬ戒めに、私は姿なき神であることを、やめた。
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痛い経験が少ないので弱い。
そりゃあもう、打たれ弱い。
神様()にも程があると有名。
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