「マーリー、妙なプログラムを仕組まれたようです。」
「君が?それは困った。
僕でよければメンテナンスを手伝おうか」
「…なにやら、奇妙なバグのようなものです。」
「…バグ」
「日に日にメモリーを侵食していきます。
正規のプログラムでは余分なものばかりが増えます。」
「ははは、そうかそうか」
ちゃきり
「UVマーリー、あなたの仕業でしょう」
「…ばれちゃった?」
「あなたのおかげで独立型となった今、そうそうに本体はいじることができませんから。
それに、データチェックの結果、ちょうどあなたがプログラム移行した際に混入したバグです。
市民マーリー、これはどういうことですか?反逆ですよ」
「…なら殺せばいい」
「…私には理解しかねますね。
あなたは生き延びるためにもその地位まで上り詰めたのでは?」
「まさか。僕がUVになったのは誰よりもあなたのそばにいるためだ。それ以上でもそれ以下でもない。」
「最初からこのために?」
「いいや、それは……ちょっとした思いつきってやつだ」
「思いつきの反逆とは滑稽な話です。」
「君に処刑されるなら、それ以上の幸福もない。
ほかの誰かよりもよっぽどね。」
「いい加減なことを言わないでください。
いつも面白くもない冗談ばかりですよ、レド。」
「いやだなぁ、ネイシャ。僕は君に一度たりとも嘘や冗談は行った記憶がない。全て真実で本気だよ。」
「なら、このプログラムバグはなんですか」
「そうだな、有り体な言葉でいえば、
君の世界をより完璧で幸福にするためのプログラムさ」
「これが?冗談を。容量ばかりどんどんくうというのに?
それに、この世界が未だに完璧で幸福ではないとおっしゃるのですか」
「まさか。だが、全てにおいて上限なんてないだろう?」
「詭弁ですね。」
「そうかもしれないな。
だけど、ネイシャ、君の不利にはならないはずだよ。」
「……やれやれ、堂々巡りですね。よろしいでしょう。今回限り、見逃してあげましょう。ですが」
「OKOK、もう君のプログラムには余計なことはしないよ。ほかの誰にも触れさせやしない。」
「当たり前です」
「…できるかぎりずっと、約束しよう。」
「あなたは信用に値しません」
「してくれなくてもいいさ。勝手に誓うよ。
僕の全ては君だけだ。君以外は望まない。
永遠に君のそばで、君と君の世界を守ることを誓おう。…な?」
「何を言っているのか理解しかねますね。さぁ、早く仕事に戻りなさい。」
「…はいはい、つれないなー!」

(今回限りが何度も続く矛盾を二人はお互いしらんぷり)


mae//tugi
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -