「市民、マーリー。この度の報酬を私が直々に差し上げても構いませんよ」
「報酬?…なんでもいいのかい」
「簡単に用意できるものなら」
「じゃあ、そうだなぁ…前々から欲しかったものがあるんだよ」
「聞くだけ聞いてあげましょう」
「名前」
「あなたにはマーリーという識別名がすでにあるでしょう」
「知ってるよ。ただ、その名前はほかのやつらにも呼ばれるだろう?
もちろん君にも。」
「それはそうでしょう。他に呼びようがありません」
「だから、なんていうんだろうね。
君だけに呼んでもらえる特別な名前が欲しいんだ。
階級名でも識別名でもない、イミのない名前が。」
「気味の悪いことおっしゃいますね。あぁ、やはりあの本を影響ですね?
これだから旧世界の、いえそれだけではありませんね。余計なああいった知識というのはおそろしい!」
「ははは、たしかにその通りだ。
ファーストネームもファミリーネームも面白いね。
あぁ、せっかくだからコンピュータ様もど」
「調子に乗らないでください。」
「けちー」
「まぁ、そんなものでいいとおっしゃるのなら考えておきましょう」
「本当かい?…ありがとう」

(欲張りの大成功)


mae//tugi
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