世界観 | ナノ

クロス 


 「クロス」とは、魔物の血をひく人間全般を指す。雑種と呼ばれることもある。
 ヘリオスたちみたいな「ご先祖様が魔物」な方々や、ハーフやクォーターも含む。

 名前は「cross breed=異種交配物」から。

・外見
 体格はヒトと変わらない。
 髪、目、肌の色は個体差があり、種族で共通していない。

・特徴
(1)どことなく中性的な顔立ち

(2)額の中央に宝石のようなもの(彼らに言わせれば「眼」らしい)を持つ。
 魔力の集中点となる器官であり、これを抉り取られた「クロス」は魔法使用能力を失くしてしまう。
 (裏ルートでは高値で流通し、コレクター人気の高い商品)

(3)尖った耳
 彼らの耳は猫の耳と同じように上、下、後ろと別々に動き、音源を特定する。話を聞きたくない時は後ろにそらすことが多い。

(4)成長期
 彼らは10代前半で急激な成長期を迎える。18歳くらいの外見になると成長は止まり、以降は外見の変化が非常にゆっくりとなる。
 従って外見から実年齢を判断することは困難。

・寿命
 100年程度。(この世界の人間の平均寿命は50年程度)
 魔物の血が濃い個体は長命、人間の血が濃い個体は短命になる。

・共通する性格
 基本的にプライドが高い傾向にあり、「自分は自分」という意識が強い。

・住処
 人間から爪弾きにされるために人里に住む者はほとんどなく、人間の来られないような森の奥深くや、山の中などに隠れ里を作って細々と暮らしていると思われる。
 そもそも圧倒的に数が少ない種族だから、どこに住んでいるのかは謎。
 (人間と魔物の間に子供ができることは稀であり、仮にできたとしても5人に3人が死産となる。
 魔物の血が薄まるごとに出生率は上がるが、額に宝石のような何かを持って生まれてきた赤ちゃんなんて大抵は殺されるか捨てられてしまう)

・他種族に対する考え方
 他種族なんて心底どうでもいいというか、正直興味ない。
 しかし種族差別はかなり鬱陶しかったりする。

・信仰と神
 無神論者。というか、「信仰」という概念が存在しない。
 「神様?ふーん、そんなのいるんだー」程度の認識。心底どうでもいい。むしろ興味がない。

・文化のレベル
 基本的に人間と関わらないため、ちょっと時代が遅れている。
 その分魔法技術が発達していることも。

・得手
 魔法の扱いに長ける。また、身体能力も高い。
 額の「眼」によって空間を読み取り、広範囲を知覚している。セレネが眼鏡なしでも生活に支障が出ないのはこのため。
 先祖となった魔物の性質によっては再生能力を持つ者もいる。
 魔法を使いこなすこと、新しい魔法を作り出すこと、魔法を応用することが得意。

・不得手
 何かを信仰したり、祈ったりするのは苦手。

・種族特有の文化
 まず、結婚制度が存在しない。籍を入れずに片親のみで子供を育てるのが普通。コストパフォーマンスを考えて効率的ならば同棲生活をすることが多い。ちなみにヘリオスたちの祖父祖母・両親は籍が入っていない。
 また、近親相姦、獣姦、同性愛、人肉を食べることがタブーとされていない(ただし推奨されているわけでもない)

・他種族からの扱い
 魔物の血を引くため、「穢れ」扱い。畏怖され、蔑視される。
 魔物からは、人間の臭いが鼻につくと爪弾きにされる。
 結局どちら側からも風当たりが強く、だけどどちら側にもなれないから、ヘリオスたちのように人間とそれなりに良好な関係を築くことは珍しいケースといえる。


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