06



 


一度教室に戻り資料を机に突っ込んだ。
そして屋上へと向かう。階段を上るにつれて話し声が聞こえてくる。
どうやらシズちゃんも来ているようだ、知らず知らずのうちに足取りが軽くなっていた。
ドアを開けると4人がこちらを向く。
 
「臨也遅かったね。」
 
新羅に適当に返して俺はドタチンの隣に座る。
そしてその手に握られているメロンパンに目をやり、ドタチンを見るとため息をつかれた。
一方の俺はにっこり笑い、ありがとーなんて勝手に一口もらった。
人が食べてるのって美味しそうだから仕方ないよね!
 
「臨也、お前メシは?」
 
俺の手に紙パックの紅茶しかないのを指摘するドタチン。
それは今に始まったことではない、基本俺はお昼休みにがっつりご飯を食べたりしない。
1日3食が一般的だろうけど、俺は1日5食とか細かく分けて何かしらを食べているつもりだ。
なのにドタチンはそれを良しとしていないみたい、たしかに俺は細い方だと思うけどそれは体質でしょう?
食生活が影響しているとは思わない。
さすがに肋骨が浮いてきたら気持ち悪いしヤバイとは思うけどね。
 
「メロンパンかじったじゃんかー。」
 
そんなんじゃ倒れるぞとか言い出して、新羅に相変わらずお母さんだねぇなんて言われちゃってる。
そんな2人のやりとりを見ているセルティも何だか楽しそうだ。
俺は自分のことだけど関係ないと言わんばかりにドタチンに寄りかかって携帯を弄り始めた。
しばらくして何か忘れてるなーと思ったらシズちゃんだ。
今はセルティと何か喋ってるみたい、あの2人って仲良かったっけかな?
しばらく見ているとふいにシズちゃんと目が合った。ちょっとびっくり。
 
「何だよ。」
 
うん、最高に機嫌が悪そう。
でもそういう時ほど逆撫でしてやりたくなるんだよね。
だから俺はプリンが食べたいと言った。もちろんシズちゃんに。
するとやっぱりキレた。
 
「あぁ!?何で学校来て早々手前にパシられなきゃなんねぇんだよ。」
 
「何で?それはシズちゃんが俺に多大なる迷惑とストレスをかけたからに決まってるでしょ。今度から遅刻、欠席するなら校内放送で理由を事細かに流してもらえるようにしておきなよ。」
 
殺す、なんて物騒な発言をして立ち上がる姿を確認し俺も腰を上げようとした・・・ら、
 
「やめろ静雄、臨也もだ。」
 
お母さん(ドタチン)に止められた。
シズちゃんの方もセルティに宥められて再びフェンスを背に座った。
それでも苛々しているようで、すぐに横になり寝る体制に入ったみたいだ。


 



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