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C)【Say "Happy"?】C




るるさんの【Say "Happy"?】Bの続き

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 クラッカーの音とともにその人を祝えば、これからが本番と言わんばかりの忙しない様子で、シャンは隣の部屋へと移動する。
客間のテーブルの上には20cm程の真四角の包み。そのまっさらなシルエットを包むのはワインレッド色をした包装紙。シルエットも装飾もシンプルなそれを手にすると、再びダイニングへと戻る。
柔らかな笑みを浮かべながら主役を席にエスコートしている主を見てへらりと笑いながら二人に近づいた。
「先輩お誕生日おめでとうございます!これは俺からのバースデープレゼントです。」
 いつもと違う眼鏡をかけさせられた主役に向かってそう言うと、手にしていた箱を差し出す。
「プレゼント…」
「開けてください!」
 シャンに促されるように先輩執事が包みを丁寧に外すと、中には女性が装飾入れに使うような小さな引き出し付きの箱。デザインは男性向けのシンプルなものだが引き出しにはそれぞれ金の小さな取っ手がついている。
「…装飾入れ?私に…?」
「シャン、これは…」
「へっへーー!!中も見てください!」
困惑する二人をみて満足そうに笑うと、ボールを投げられるのを待つ飼い犬のように開封を急かす。シャンに急かされてパーティーの主役が箱の上部を開ければ、中にはジュエリーケースに綺麗に並ばされた彼の好物のお菓子。キューブ型やバラの花。ティーカップ型など様々な形をしたチョコレートがあった。
「全部俺のおすすめのやつです!下町、中心街、貴族街、港街、いろんなとこのお店です。箱はリヤンに作ってもらってチョコが溶けないように魔法がかかっていますよ。よかったらそのまま使ってください!」
 引き出しの中には薄いチップス状のチョコレート。下の段の引き出しにはコーヒー豆をチョコレートでコーティングしたものと、オレンジピールをチョコレートでコーティングされたものが二つ分けられて入れてある。
「……どうですかね…?」
 流石にチョコレート過ぎただろうかとシャンがへにゃりと少し気弱目に笑いながら首をかしげる。
 その様子にプレゼントをみた主役はくつりと喉で小さく笑いながら引き出しと蓋を静かに閉めた。
「こんなにあったら暫く買い足さなくて済みそうです。ありがとう。シャン。」 その様子をみてぱあぁああっと顔を輝かせると、シャンは満足そうに満面に笑みを浮かべて「はいっ」と答えた。

「じゃー、次は主様の番ですね!」
 シャンは少しだけかがめていた腰を起き上がらせて、2人の執事の様子を和やかに見ていた屋敷の主人を振り返る。 
 前日からずっと考えていた先輩執事の誕生日パーティー。
 きっとたくさんの思いを込めているのだろうとシャンは思っている。そんな主様が贈るものは少なからず気になっていた。
 何かをこらえるようににっかりと笑いながら己の主であるベルホルトと目を合わせれば、彼は控えめにだが、至極楽しそうに微笑んでごそりと身を動かした。







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