morning call??


※未プレイ時作品
※学パロ



「ディオー!!」


せっかく気持ちよく寝ていたのに。

何事かと思う大声に、ディオは飛び起きた。

覚醒しない頭がぐらぐらする。

ぼんやりとしたまま、ディオは大声の主を探した。


「……リタ?」

「おはよ、ディオ。早く起きないと遅刻するわよ」


もうそんな時間なのか、と枕元の時計を見ると、一時間半は余裕がある。

一時間、早く起こされた。


「リタ」

「ほら、さっさと起きる」


ディオの腕を引っ張り、体を起こそうとするリタ。

少しずつ覚醒してくると、疑問に思う。

何故彼女がここにいるのかと。


「なあ、リタ」

「何? 用件はさっさと言いなさい」

「何で、俺の部屋にいるんだ?」
 
「あんたを起こす為じゃない」


起こしてくれと頼んだ覚えがない。

起こしに行くと宣言された覚えもない。


「俺、頼んでないよな?」

「ほら、早く」


このままだと着替えまで手伝われそうだ。


「取り敢えず、部屋から出てくれ」

「二度寝する気じゃ……」

「しねーよ」


追い出してドアを閉めると、ようやく落ち着いた。

本当に彼女は何をしに来たのだろうか。

身支度を整え、鞄を手に部屋を出る。

そして、もう一度リタに尋ねた。

いきなり現れた理由を。


「俺を起こしに来た理由は何だよ」

「あんたの作る朝食じゃないと目が覚めないの」

「十分覚めてると思うけど? てか、俺あんまり料理上手くないけど」

「とにかく、早くね」


椅子に座ると、リタは分厚い本を読み始めた。

諦めて彼女の朝食を作るしかないようだ。

ディオはエプロンを身につけ、キッチンに立った。


半時間後、簡単なメニューばかりだが、朝食は完成した。


「リタ、出来たぞ」

「……」


本に集中しているせいか、ディオの声に反応がない。


「リタ」

「……」

「おい」

「……」

「せっかく作ってやったのに。俺は声かけたからな」


多分聞こえていないだろうが、そう言って自分の分を食べ始める。


「今日はハムエッグじゃなくて、オムレツの気分だったけど、まあいっか」

「……」


今まで一切反応しなかったくせに、いつの間にか、リタは朝食を頬張っていた。


「ま、あんたにしては、よく出来た方じゃないの?」

「そりゃ、どーも」


文句があるなら、自分で作ってもらいたい。

綺麗に食べてくれると嬉しかったりするが。


「ねえ、ディオ」


食器を洗うディオの背後に立ち、声をかける。


「何だよ。手伝ってくれるのか?」
 
「まさか」

「……だよな」

「今日、部活休みでしょ」

「テストが近いから」


リタはディオの隣に立ち、にっと笑った。


「放課後デートに付き合ってあげる」

「頼んでないけど」

「HR終了後、正門前ね」

「おい」

「じゃ、あたし先に行くから」


言いたい放題の彼女に呆れ、暫く固まってしまった。

水の音で我に返り、慌てて止める。



学校へ向かいながら、突然入った今日の予定を考えていた。



up 2008/09/09
移動 2016/01/16


 

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