素敵少女2
※キャラ崩壊注意!
※六神将+ヴァン
◆前回のあらすじ◆
ダアト(主に六神将達の間)でかなり有名な、ちょっと変わった少女・アンジェ。
彼女の歌うウタは常に新しい二つ名(あだ名)を生み出していた。
そんな彼女の新たなる新曲とは!?
素敵少女
――神託の盾・その他篇
***
「それじゃ、歌うね」
マイクをしっかり握り、アンジェは六神将に笑いかけた。
「キムラスカとマルクトとケセドニアなど」
「おい、それがタイトルか?」
アッシュのツッコミを華麗にスルーし、アンジェは歌い始めた。
♪―♪―♪―---
ルークの“ル”は、『ルンルンルン』の“ル”〜
ガイの“ガ”は、『画鋲が靴の中に!?』の“ガ”〜
ナタリアの“ナ”は、『何でもかんでも(以下略)』の“ナ”〜
インゴベルト陛下の“イン”は、『インク切れてるよ』の“イン”〜
セシル少将の“ジョ”は、『常識と非常識とどっちもどっち』の“ジョ”〜(注・名前がジョゼットなので[確か])
ジェイドの“ジェ”は、『ジェット気流』の“ジェ”〜
……ジェントルマンの方が良かったかな。
ピオニー陛下の“ピ”は、『ピ●チュウ[英語発音]』の“ピ”〜
フリングス将軍の“ア”は、『アイキャッチャー』の“ア”〜(注・名前がアスランなので)
アスターの“アス”は、『きく科しおん属』の“アス”〜
ディンの“デ”は、『デカダンス』の“デ”〜
テオドーロの“テ”は、『てくてくてくてく』の“テ”〜
♪―♪―♪―---
「アンジェ、ちょっと微妙」
「嘘っ!?」
「インパクトが欠けているぞ!」
自分の名前が出なければどうでもいいのか。
アリエッタとリグレットがそう言い出した。
「……お」
アッシュが何かを言おうとしたが、ラルゴがそれを止めた。
結果が目に見えていたから。
「一ついいですか?」
「何、死神。くだらない事だったら、ぶっ飛ばすよ」
「死神と呼ぶのはやめて下さい。くだらない事かもしれませんが、ヴァンがごく自然に彼女達の輪にいるのは、気になりませんか?」
『えっ!?』
今まで気がつかなかった。
アンジェ、アリエッタ、リグレット。
彼女達三人と同じ輪の中にヴァンはいた。
会話にも加わっている。
「……あいつ、何しているんだ?」
「さあね。あの歌の創作活動に加わってるんでしょ」
「我々は、もう帰ってもいいんじゃないか?」
「というか、さっさと帰りたいですね」
などと文句を言っている彼ら。
一方、アンジェ達は……。
「知ってる! 商店街の裏にあるクレープ屋さんでしょ?」
「あそこのカスタードクリーム、とっても美味しい……です」
「値段が手頃で、いつも売り切れるのが早いな」
「私も行ったが、なかなかの味だった」
ヴァンは違和感なく馴染んでいた。
彼女達すら気づかないくらいに。
「で、曲の事だけど」
「思い切って、短調にするのは……?」
「もう少しテンポを速くしたらどうだろう?」
「私は、ティアを一番目立たせてもらいたい」
『いつからそこに!?』
三人とも、本当に気づいていなかったらしい。
驚いて、ヴァンから距離をとっている。
「私は、そんなに存在感がないのか……?」
「そ、そんな事はありません! あまりにも偉大過ぎて、気づかなかったのです!」
「あれ……フォロー?」
「アリエッタ、私達は何も出来なかった。今は、アンジェに拍手を送ろう」
「はい、です」
――パチパチパチパチ。
「!! おい、あいつら、何か拍手してるぞ!」
「よっぽどいい歌が出来たんだろうね」
「……聞くのが怖いな」
「どうでもいいですが、ヴァンが泣いていませんか?」
『!!!!!』
***
「みんな、お待たせ! 無事に完成したよ」
あれから2時間が経ち、ようやく曲が完成したらしい。
その間、何とか逃げようとしたアッシュ達だが、アリエッタとリグレットに阻まれ、失敗に終わっていた。
「じゃ、聴いて下さい。『ティアとティアとティア』」
「ちょっと、曲変わりすぎじゃない!?」
シンクのツッコミも華麗にスルーされた。
♪―♪―♪―---
ルークの“ル”は、『ティア』の“ル”〜
ガイの“ガ”は、『ティア』の“ガ”〜
ナタリアの“ナ”は、『ティア』の“ナ”〜
♪―♪―♪―---
「アンジェ」
ディストはアンジェのマイクを奪った。
先が読める歌をいつまでも聴く気になれなかったらしい。
うっかり流されそうになっていたアッシュ、シンク、ラルゴは、ディストに拍手を送った。
ヴァンは歌に感動して泣いている。
「ちょっと、ディスト。次はかわってあげるから、今はマイク返して」
「仕方ないですね」
(((納得するのかよ!!)))
「アンジェ」
「何、アッシュ」
「今日は、特売日じゃなかったか?」
「!!!!!」
「忘れてた! 時間は……まだ大丈夫ね。ありがと、アッシュ。お礼に、今度昆布の佃煮作ってあげるね!」
(何で昆布の佃煮?)
嵐のように、アンジェは去って行った。
その場は、静寂に包まれる。
「アッシュ、一体何の特売なのさ」
「さあ。適当に言っただけだからな」
「取り敢えず、助かったぞ」
「最後まで聴けなくて、残念……です」
「本当だな。2番の歌詞が最高なのに!」
「ティアの為にCDを作る計画が……!!」
ダアトは今日も平和です。
up 2008/06/10
移動 2016/01/15
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