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ピピピピピピ、ピピピピピピ、


規則的に鳴る機械音に顔を歪める。

目覚まし、こんな音だったっけ..

眉間に皺を寄せながらゆっくり目を開けると、目の前には見知らぬ男の顔。



「あら....?」


ふとシーツを捲り体を見ると、案の定。何一つ見につけていなかった。
それどころかこれでもかという程に身体中に散りばめられたキスマーク。

ぼーっと昨夜を思い出そうとまだうまく回らない頭を回転させていると、ふいに男の目が開いた。

その色気を孕んだ視線で一気に記憶が蘇る。




「...よお、」


「ええ........
トラファルガー部長」


「起き抜けで悪ィが...」


太ももにグッと押し付けられる硬いもの。


「悪いけど、遅刻しちゃうから遠慮します」


するりとシーツごと彼の腕から逃れ、
シャワールームに向かう。

シャワーを頭から浴びて頭が回って来れば、
昨夜のことが鮮明に思い返ってきた。







昨夜、バラティエでたらふく食べて飲んだ後お開きになりタクシーに乗ろうとした時、
いきなり乗り込んで来たのがトラファルガー部長だった。


そのあと確か彼行きつけのバーに行くことになり、
そのままされるがまままに飲まされ彼の家に連れてこられたのだった。


キュ、とシャワーの蛇口を締めシャワールームを出る。
外に出て仕方なしに昨夜と同じ下着をつける。

それをわかっているのか、寝室からは女が置いていった下着があるぞ、との声が聞こえたが丁重にお断りした。



「あなたは行かないの?トラファルガー部長」


「そろそろ支度する.....クク、夜のこと覚えてるか?」


「いいえ?あなたとセックスしたっていうのは分かったけど、どんなだったかは忘れたわ」


シャツを着ながらそう言い、
無言になったと思えばガラリと脱衣所の扉が開いた。


「レディの着替えを覗くなんて失礼だと思いますよ、部長」


「あんなにヨガってたのに忘れたなんて言わせねェぞ」


「ちょっとどうしてくれるの?この忌々しいキスマークが隠れないわ」


ナマエは鏡に映る、シャツでは隠しきれない首筋のキスマークを睨み付ける。


「丁度いい。おれのモンって所有印だ」


「あなたのものになった覚えは無いわ。
一回セックスしただけよ」



眉間に皺を寄せるローを横目にテキパキと支度をし、髪をまとめ軽く化粧を施す。


「じゃあお先に失礼しますね、部長」


ナマエは鞄を持ち壁に寄りかかるローに微笑んだ。


「あ、そうだ。どんなセックスだかは忘れたけど、気持ちよかったのは覚えてるわ」


機会があったらまた会いましょう、
と悪戯っぽく笑い、玄関へと向かった。




「フン.........生意気な女だ」




残されたローは、ただ残る彼女の匂いに目を伏せた






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