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ナマエは出勤してすぐ、
彼女を見るや否や呆れたような顔をしたマルコに捕まり給湯室まで連行された。


「もう、なによ」


「お前...それはどこの誰のモンだよい」


マルコが視線を落とした先には隠しきれなかったキスマーク。
すっかり忘れていたナマエは あ、とそれを手で隠した。


「....不可抗力だったの」


「ああ、お前の決まり文句だな」


上目遣いで見上げて見るが、もう彼女の手口は嫌というほど見てきたマルコはキツイ目つきを緩ませることはなかった。


「ハァ........トラファルガー部長よ」



その名前に、マルコは想像通りと言うように深く溜息を吐いた。


「それ誰にも言ってねェだろうな」


「まさか。あなただけよ」


「......いい加減会社の男に手ェ出すのは辞めろよい」


「失礼ね、今回は本当に出された方よ」


「じゃあ出されんのも辞めろ」


「そういえば.....あなた、レッドフォースにいた時も私をガードしてくれたわよね」


「もうお前のキリがねェボディガードは御免だよい」


兎に角所構わず寝るのは辞めろ。
と言い、空返事をするナマエを連れ給湯室を後にした。



ーーーーーー






マルコの思いとは裏腹に、昼休みにはすっかりローとナマエの噂で社内は持ちきりだった。

二人は付き合ってるだの、
ナマエとローが二人でタクシーに乗るのを見ただの、
あることないことが噂された。





勿論それは彼の耳にも入った。



「お前今朝頼んだ資料出来た?」


「.....」


「おい....」


「.....」


「エース、おい」


「...んだよ」


「ちょ、仮にも上司に向かっての口の聞き方じゃなくね?」


「ハァ...ほらよ」



エースはサッチに書類の束を投げる。


「エース.......お前あの噂気にしてんの?」


「....逆にお前気になんねェのかよ」


「いやそりゃ気になるけどさ」



まあとりあえず食堂行こうぜ、
とエースを無理矢理立たせた













「ねえナマエ、あの噂本当なの?」



後ろのほうで聞こえるナミの声に、
思わずエースとサッチの方が跳ねる。



「あの噂って....トラファルガー部長との?」


「そうよ、本当に部長と付き合ってるの?」


思わず息を潜め耳を凝らす二人。


「まさか。そんな訳ないじゃない」


「なーんだ、やっぱりね」



ふう、と肩の力が抜ける。
サッチがエースにグッジョブサインをするが、それはすぐに無意味なものになった。



「じゃあ、彼と夜を共にしたっていうのもガセネタかしら?」


「ああ、それは本当よ。自分でもよく覚えてないけど、今朝気付いたら全裸で彼とシーツに包まってたわ」



「......」



「......え、エース..?」



「サッチ......おれ早退する」



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