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ホテルに帰り、まずは豪華なバイキングで夕食を済ませた。その後女子3人はここの名物でもある大浴場へ向かった。エステやマッサージもあり、お肌が潤う効果のある真珠風呂もある。
ゆっくりと温泉に浸かり、エステもマッサージもしてほかほかと幸せな気分になり部屋に戻った。

そこからはもうお決まりの流れ。
ビビやボニーも呼び女子5人での宴会。
美人社員top5が全員集まるその光景はまさに壮観だろうが、部屋には開始早々酒瓶や空き缶が散らばりへべれけになる美女たちの姿があった。


「いやー、それにしてもナマエがエースと付き合うなんてなあ」


「本当。私、ナマエさんはマルコ部長かトラファルガー部長かなって」


ボニーの言葉にビビが賛同する。


「でも上手くいってそうでなによりじゃない」


「そうねえ、ああ、私もそろそろ彼氏欲しいわ〜」


「私も〜」


「貴方たちはどんなタイプがいいの?」




彼氏を欲しがるナマエとロビン以外の女達。
ナマエがそう問えばうんうんと唸る3人。


「私はやっぱりお金持ちね!お金が無きゃどんなイケメンでもお断り。」


「私は...誠実な人かしら」


「ウチは..料理上手いやつかなァ」


「そうだ、あんたエースかマルコ部長かトラファルガー部長に頼んで男紹介してよ!」


「え、今?」


「そ、今。皆どうせ部屋で飲んでるんでしょう?誰か呼んでよ」


「...そうね」


同僚達のために、エースに電話すれば、二つ返事でOKしてくれた。
その後すぐに既に酒気を帯びた顔のエースと、そのルームメイトであるマルコとサッチ、イゾウにハルタがやってきた。

テーブルを囲む輪の中に一人ずつ挟むように入り、飲み出した。
エースは勿論ぴったりとナマエの隣に。
他のメンバーは各自適当なところに腰を下ろす。

みんなで話したり其々が話したり、そのうち勝手に席も変わりすっかり酔っ払った一行は0時過ぎた頃にはどんちゃん騒ぎになっていた。







「なァナマエ、抜けようぜ」


エースはこそっとナマエに耳打ちし、
楽しそうに騒ぐ皆の目をぬすみ、2人部屋を出た。

ロビーの売店で酒を買い、そのまま外へ出て庭園を歩く。月が輝く夜空、純和風な庭園を足元から小さなライトがぽつぽつと照らす。
石でできたベンチに座り、酒を飲みながら話をした。




「はー、よく飲んだなぁ」


「あなたにしては飲んでたわね。平気?」


「平気。ナマエも結構飲んでたのに流石だな」


「酔ってるわよ?ナミにお酌するマルコがかっこよく見えたもの」


「ぶっ......おまえなぁ...。
てか、おれ以外の男かっこいいとか言うなよ」


「ふふ、あなたが一番かっこいいわよ エース」


にっこりと笑ってエースを見れば、嬉しそうに笑いながら固唾を飲んだエースの顔がゆっくり近づき、優しく唇が重なる。






「おれさ、たまに夢じゃないかって思うんだ」


「なに?」


「おまえとこうやって付き合って、当たり前のように抱き合って、キスして、 セックス もして。それが全部夢なんじゃないかって」


「...エース」


「いつか、夢から覚めるみてェにいなくなっちまうんじゃないかって、不安に なる」


「...」


「おれさ 年下だし、社長でもねェし、金もそんなねェし、どう見たっておまえと釣り合ってないしよ、」


「そんなことないわ、エース」


「、でも」


「あなたにはあなたの良さがあるわ。こんな風に純粋で可愛くて、一緒にいて楽しい人、今迄一人もいなかったわ」


「ナマエ、」


「好きよ、エース」


「ナマエ...っ」




強く抱きしめ、月に照らされる2人のシルエットが重なった。

「ありがとう....おれ、絶対幸せにするから。
もっと金も稼ぐし、絶対ナマエに不自由させねェようになる!
ずっと大切にする....
だから、一緒にいてくれ」


「ふふっ
ええ、期待してるわ」


額を付けながら会話し、笑う。
少し肌寒くなって来たので、エースとナマエはまた酒を飲みながら部屋に帰ることにした。

ナマエ達の女子部屋を覗いてみると、そこは地獄絵図だった。雑魚寝した男女に散乱した酒瓶に溢れた菓子、サッチの顔には大量に落書きされ、ハルタやイゾウは半分脱がされている。

なんともこもった酒の匂いでエースはうっと口を押さえ、2人はそのまま部屋には入らず誰もいないであろう男部屋へと向かった。








「多分誰も帰って来ないと思うし、今日はこの部屋で寝ようぜ」


「まあ、そうね。
あの部屋ではとてもじゃないけど寝られないわ」


布団を2枚敷き、歯磨きをしてそのまま潜り込む。
ひんやりと冷えた布団が火照った身体に心地よい。
ナマエは酔いのせいもありすぐに襲ってきた眠気に意識を手放そうとしていれば、その浴衣の中に一つの大きな手が浸入して来た。


「あのね、エース......物凄く眠いんだけど」


「いいよ、寝てて」


「いや、そういう意味じゃなくてね...」





やんわりと断るもその手は器用に浴衣の紐を解き、下着のホックを外す。
やわやわと胸を揉まれ、太ももには既に硬くなったものが押し当てられた。


「誰か来るかもしれないし、ね?」


「鍵かけたからヘーキ。
それに、あんな水着見せられたあとにお預けなんてできねェよ」


「鍵マルコが持って....っあ」


「クソ野郎が残したこの跡も、全部塗り替えないとだろ?」


ちろりと赤い舌で胸元に残されたキスマークを舐め上げ、強く吸い付く。
更に赤く大きく残ったその跡を満足気に眺め、その周辺にも幾つもの華を咲かせた。
結局そのまま強引に持っていかれ、エースが満足するまで付き合わされるハメになった。






ーーー 





翌朝、女部屋で目が覚めたマルコは酷い頭痛に頭を抱えながらも皆んなを叩き起こし、地獄絵図だった女部屋を片付け男たちを連れそこを後にした。


部屋に帰ると鍵が閉まっていたので持っていたキーでドアを開けると、そこは独特の匂いに包まれ、嫌な予感がしつつも足を進めればそこには案の定、
乱れた布団、脱ぎ散らかされた浴衣、転がるティッシュ、裸のままシーツに包まり眠るエースとナマエがいた。


すぐ後からやって来たサッチはその光景を目にして石化した。



「エース......このくそやろう、絶対 許さねェ...!」


「.....ハァ、勘弁してくれよい」


「ん.....。お、マルコ、サッチ....おはよ」


「おはよじゃねェよクソガキ!てめェナマエちゃんとベッドインだなんて百億万年早ェんだよボケ!死ねクソ野郎!!」


半ば泣きながら怒鳴るサッチに、エースは思い出したように腕の中にいるナマエを見た。
晒された白い手足を隠すように慌ててシーツを掛ける。


「おまえら出てけ!ナマエ起こして着替えさせっから」


「てめェが出てけ!おれが着替えさせてやる!」


「ハァ?馬鹿かフランスパン!させるわけねーだろさっさと出てけよ!」


二人の言い合いにナマエが眉を潜めながら起きた。


「......朝からうるさいわよ。あら、サッチにマルコ、おはよう」


「おはようじゃねェよい......頼むからさっさと服を着てくれ」


マルコはその場に残ろうとするサッチを引きずり部屋から出て行った。


「おはよう、エース」


「おう、おはよう」




ちゅ、と顔に降ってくるキス。
エースのいつもの習慣だ。


「ん、エース、マルコ達が待ってるから早く起きないと」


「んー、もっとこうしてたい」


「だーめーよ。
ほら、起きて」


ナマエはさっさと浴衣を纏い、エースも渋々起き上がり袖を通す。
ナマエが髪を整えたりしているうちにエースが布団を畳み大量のごみを処分した。



「お待たせ、ごめんなさいね」


「ったく、社員旅行中くらい我慢しろよい」


「もう、それなら私じゃなくあの子に言って」


「へへ、悪ィ」


「〜っこの!!」


「サッチやめとけよい、ほら、とっとと飯行くぞ」




四人は食堂に向かい、そこでナミ達やほかの男と合流し、朝食を食べる。



「全くエース!あんたったらほんとに獣ね!」


「まあ彼は若いから、仕方ないわよ」


「おっロビンもそう思うだろ?」


「馬鹿!ナマエのことを考えなさいよ!あんたの馬鹿みたいな体力に付き合わされる身にもなりなさい!」

「ふふ、ありがとナミ。とりあえず大丈夫よ」


「飯の場でその話題はやめろよい」


「.......あ、そういえば皆きいた?
さっき広報部のコが言ってたんだけど、今日、レッドフォース社も社員旅行でこのホテル来るんですって」




「「!!」」


ビビが何気なく口にしたその情報に、ナマエとシャンクスの過去を知る者の肩が揺れた。



「レッドフォース社、が?」


「ええ。なんでもレッドフォースの社長さんがいきなり決めたとかで、さっき着いたみたい。....あれ、どうかした?」


「い、いや、なんでもないわ」


ナマエは食事って気分でも無くなり、あまり手をつけないまま先に席を立った。


「私、ちょっと部屋に行くわね」


「おい、ナマエ...」


エースが声をかけるも、ナマエはそのまま食堂を出て行ってしまった。


「....エース、ほっといてやれよい」


「.....でも、っ」


「アイツはアイツなりに思うところがあるんだよい」


「......っ」


少し悩んだが、エースも席を立ち消えたナマエを追った。
残された過去を知らない者たちはみんなぽかんとそのやりとりを見ていた。



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