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何故?
何故またこの顔が目の前にあるの。


「よお、やっと起きたか」


「....トラファルガー、なんで貴方が私のベッドで一緒に寝てるのかしら」


「昨日メキシコ料理屋から潰れたお前をここまで運んでやったおれに向かってよくそんな口が聞けるもんだな」


「え、うそ」



ばっと起き上がると、シーツから見えたのは下着だけを纏った自分。
に、パンツ一丁で横に寝ているトラファルガー。


「じゃあなんで下着なの?あなた最低」


「スーツで寝かせたほうがよかったか?」


「......じゃあこれは?」




胸元にくっきりと刻まれたキスマークを指差す。


「あんまりにも起きねェから付けた」


「ハァ、起きないからってなん..........ねえ、今何時?」


「9時半になったとこだな」


「えっ...9時半?」



急いで時計を見れば確かに針は9時半に差し掛かったところだった。
ちなみに出勤時間は9時だ。
だからいつもナマエは7時半に起き、シャワーを浴び化粧をし、マンション一階のカフェでのんびり朝食を摂り出勤していた。






「遅刻じゃない!」


「もう連絡いれといた」


「は?なんて?」


「パイナップル野郎が出たもんだからナマエはおれの用事に付き合ってるから遅刻すると言っておいてやった」


「馬鹿!起きてたなら起こしなさいよ!」


「とりあえずいいじゃねェか、無断遅刻じゃないだけましだろ」


「はぁ、全然よくないわよ」



ナマエはベッドを降り、シャワーを浴びに向かった。
早急にシャワーから出ると、パウダールームではトラファルガーがスーツに着替え髪をセットしていた。


「男物の整髪剤があったが、誰のだ」


「前の男よ。いらないから良かったらどうぞ持って帰って」


「前の男、ねぇ。
置いておいてまた来た時に使う」


「....ハァ」



ナマエはバスタオルで体を包んだまま、髪をいじるローの隣でスキンケアをする。


「その化粧水といい、家具といい、マンションといい、全て一流のメーカーのものでかなり高額なはずだがお前はお嬢様か」


「いいえ?全部前の男がくれたもの」


「マンションもか」


「ええ」





スキンケアを終えるとプライベートルームに行き、備え付けられたウォークインクローゼットでスーツに着替える。






「広過ぎねぇか」


「そうね。広過ぎるわ」


「おれが住んでやるよ」


「遠慮しておくわ」





髪を乾かし、化粧を施し支度は終わり。
さあ行きましょう、とローを連れ部屋を出る。
かつんかつんと廊下にヒールの音が響く。



「朝飯はねェのか。
さっき見たが冷蔵庫には酒しかなかったぞ」


「ああ、私料理苦手だからいつも外食」


「嫁に行けねェな」


「旦那様に作ってもらうわ」


「生憎おれは料理は出来ねェ」


「あら、じゃああなたは圏外ね」






駐車場にあるローの車に乗り込み、会社に着いたらもう時刻は10時40分だった。




エレベーターで別れ、営業部署に向かう。


営業部署につき、
勿論マルコには説教を食らった。



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