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夕方、2人はナマエの愛車に乗りドンキホーテ社へと向かった。

馬鹿でかいタワービルの前に着き、中に入る。

豪華かつ上品な内装は社長の好みだろう、社内は全てぬかりないデザインで統一されていた。

インフォメーションに通された会議室で準備をする。



「もしかしてよ、社長相手にすんのか?」


「いいえ。相手は企画部署の方々らしいわ」


「ならまだいいか......ここの社長ってブラックなやつなんだろ?いい噂聞かねェし」



2人で準備をしながら雑談していると、がちゃりとドアノブがひねられ、ぞろぞろとスーツを着た人々が入ってきた。



「え、おいナマエあれ...」


十数人入ってきたその後ろから現れた大きな人影。
ふわふわと目に悪いピンクの羽を纏った男。


「し、社長....?」


「フッフッフ.....!お前が来るなら連絡くらい寄越せよ。なァ、ナマエチャン?」


「ドフィ...いえ、ドフラミンゴ社長。お久しぶりですね」


「は、知り合いか?」


「フフフ..!なんだそのガキは。新しいペットか?」


「っ...!」


「やめて下さい。今はビジネスの場ですよ。さあ、どうぞ掛けて」







ナマエは臆することなく、打ち合わせ通り話を進め、そのわかりやすく非の打ち所のないクロージングに皆が感心した。



「フフフ...!
成る程、いいだろう。
契約しようじゃねェか」

「ありがとうございます。ですけど本日はクロージングだけのつもりで来ましたので、契約はまた後日お伺い致します」

「そうか、なら次はその坊ちゃんを置いて一人で来るといい。そうだなァ.....明後日の19時だ。いいな?」

「....契約書をお持ちします。」







他の社員は皆会議室を出て行き、部屋にはナマエとドフラミンゴとエースだけになる。

「フッフッフ..!この後飯でも食いたい所だが、生憎仕事が立て込んでてな。明後日どっか行くとしよう。.....久しぶりにあのフレンチの店はどうだ?」


「....何処でもいいわ、明後日連絡するから」

「ああわかったよ。フフフ...!相変わらず扱いにくい女だ....

じゃあ明後日だな、ナマエチャン」



ドフラミンゴはナマエの髪を一房救い、まるで恋人にする愛しそうなキスを落とし部屋を出て行った。

エースを横目で睨んで。






ーーー





「はー疲れた。今日はありがとうねエース。何処かで夕飯でも食べる?」


「.....」


「エース?」


「ん?あ、悪ィ。ああ、いいぜ」

2人はナマエがよく行くというイタリアンレストランへ入り、よく分からないエースはナマエに頼んで注文してもらった。


「おいしいでしょ、ここのピザ」


「ああ、めっちゃうめェ」


「ふふ、エースケチャップついてるわ」



ナマエはエースの口元についていたケチャップを指で救い、それを口に含んだ。

ちゅっと音を立て引き抜かれる濡れた白い指にエースの雄がズクンと疼く。



「...ナマエ、ドフラミンゴと知り合いだったのか?」

「ええ、前の会社にいたときちょっとね」


「...親密な感じしたぜ」


「まあ、親密と言えば親密だったかもね」





その言葉がどういう意味なのかはエースにも分かる。
ナマエとドフラミンゴは体を重ねたことのある関係だ。



「....付き合ってたのか?」

「まさか。
彼と付き合うことが出来る子なんて余程の馬鹿か勇気のある子よ」


「....付き合ってねェのに、寝たのか」


「貴方、そういうのは嫌い?」


「ああ、大嫌いだ」


スパゲティを食べる手を止める。
エースを見ると真剣な顔で手元のピザを見ていた。


「エースは、ピュアなのね」


「.....そんなんじゃねェよ」


誤魔化すように赤ワインをながしこむ。気付いたらナマエも飲んでいて、運転はどうするのかと聞けば代行に頼むと帰ってきた。

結局其の後は折角だからと近くのバーに入り、夜中まで二人でゆっくり飲んだ。



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