カラン、
「いらっしゃ......い」
ナマエはマスターの表情が固まったのに気付き、入口を振り返る
「邪魔するぞ」
「確かあなたは...死の外科医、トラファルガー・ロー」
「お前は魂盗りのヘラ、だろ」
「どうぞよろしく」
ローと呼ばれたその男はナマエの隣の席にどかっと座り、酒を注文する。
「お仲間は?」
「いまは一人だ。たまにはな」
「そう。わたしも」
「お前はいつも単独だろ」
「まあ、そうだけど」
マンハッタンを飲みながら、じろじろとローの横顔を見るナマエ。
「..なんだ」
「別に。。綺麗な顔だなって。
イケメン外科医と騒がれるのも無理ないわ」
「お前が言うか」
「褒めてるの?ありがとう」
「....」
「マスターおかわり」
「はいよ」
特に盛り上がる様子もなく、ぽつぽつと言葉を交わすふたり。いや三人。
「なんでお前は魂盗りのヘラなんて呼ばれてるんだ」
「うーんとー..」
「神々の中でも最も美しく気高い女神ヘラのようで、その魅力に惑わされた者のハートと一緒に魂も奪って行く悪女だからだ。な?」
「..な?じゃないわよマスター。人聞きの悪い」
「なるほどな。海賊女帝よりタチが悪ィ。」
「ちょっとアンタ」
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bkm