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その十字架に口付けを、 *





「早いのね、ミホーク」


バーガンディの艶やかなナイトローブを着崩した女はそう言って男の頬に口付けた。
きっとこの世界でそれを許されるのは彼女だけ。


「...随分遅い帰りだったようだな」

「そうね、少し寄り道したの」

「...何処に居たんだ」

「それがね、驚くわよ。トルトゥーガでシャンクスと偶然会ったのよ」

「...トルトゥーガだと?荒くれ者の巣窟だ」

「二日しか滞在してないわ。それにシャンクスの船に泊めてもらったから安全だったわよ」

「......赤髪の船に泊まったのか」

「.....ああ、もちろん部屋は個室よ」

「当たり前だ。....お前は何も学習していないようだな」

「一体なんのこと?」


いつもより広角を下げた男は明らかに不機嫌そうなオーラを放ちその声もさらに低くなる。

それもそのはず、以前ナマエはシャンクスと恋仲だった。
レッドフォース号に乗り航海を共にしていた時代があるのだ。
勿論身体の関係もあったし、一方的にナマエが別れを告げ船を降りただけでシャンクスが彼女に未練があるのは明白だった。


「奴と寝たのか」

「...まさか」

「...嘘をついているな」


鷹のような黄金色の瞳に射抜かれる。
この鋭い瞳の前で、ナマエは嘘をつけない。

「....本当よ!
キス、はされたけど」

「....もう片腕もいらないようだな」

「ねえお願い!
私がいけないのよ、彼は根に持ってて当然」

「....」

「シャンクスより、あなたを愛してしまったのだから...」

「お前の愛は随分と浮薄なようだ」

「ダーリン、お願い怒らないでちょうだい。
もう軽率な行動はしないわ」


一人用のソファに腰掛けワインを飲む男、
その膝に腰を下ろし逞しい胸に顔を寄せる。
向こうではペローナが恐る恐る様子を伺っているようだ。


「..己の言葉には責任を持て」

「勿論よ。
優しいのね、私のミホーク」

「勘違いするな、いくらお前だろうと限度がある」

「わかってるわ。
安心して、私にはあなたしかいないわ」


強くて、優しくて、男前で、セクシー。
耳元で囁き、唇を落とせば唾を飲み込んだのが分かる。
なんて可愛い人、ナマエがにっこりと笑えば腰に大きな手が回る。


「...ゴースト娘はまだ起きてないだろう、
服を脱げ」


そこにいること、分かってるくせに。
彼がそう言えば飛んでいくようにペローナが部屋に戻ったのがわかる。


「まだ朝よ、大剣豪」

「だからどうした」


仏頂面のまま、大きな手は身体を確かめるように服の上を這う。
ナイトローブを脱ぎ捨てネグリジェになれば鋭い視線が身体を貫く。
この瞳に見られると、それだけでナマエは芯を熱くさせた。

裾から入った手は乳房を掴み、もう片方の手では肌の味を確かめるように腰や背中を撫でる。
すっかりその気になったナマエは既に硬さを持ったそこに自らの腰を押し付ける。


「...私が欲しい?」

「..いつも先に欲するのはお前だろう」

「...そうね。だからたまにはあなたから聞きたいわ」

「....この通りだ」


腰を持ちグリグリと押し付けられるそこ。
もう既に潤いを帯びているナマエの花芯はミホークを待ち遠しそうに欲している。


「ああ..でも此処でするの?
ゾロが起きてきちゃうかも...」

「奴はまだ眠っている。
ゴースト娘も暫く来ないだろう。
あとはナマエ、お前が声を我慢すればいい」

「やっぱり分かってたのね..」

「....早く下着を脱いで跨れ」

「もう...女に乗られるのは好かん、とか言ってたくせに」

「...たまには悪くない、早くしろ」

「でも慣らさなきゃこんなの入らないわ」

「罰だ、甘んじて受け入れるんだな」

「罰って、一体なん、っ」


ぬるりと膣口に当てられた陰茎。
腰を持たれ先端が中に埋もれていく。
質量のあるそれに慣らしてもいない入口は悲鳴をあげる。
愛液をたっぷり絡ませ、何度も出し入れを繰り返し少しずつ全てを埋めていった。



「痛っ、ミホーク、...ああ!」

「...流石に厳しいか」


ミホークは目に涙を浮かべるナマエの唇を塞ぎ、ぷっくりと膨らんだ突起を親指で擦り上げた。
びくりと腰が跳ね一気に滑りも良くなる。


「...お前は本当に此処が好きだな」

「..意地悪ね、あなただって...っひ!」


また軽口を高こうとするナマエを黙らせるように先端で膣内を削る。
ふるふると揺れる乳房を掴み、乳首を抓ればビクビクと身体を痙攣させ膣内がギュッと締まったのが分かる。


「随分早いな...乱暴にされるのが好みとは知らなかった」

「違っ..、あなたが気持ちいいところばっかり擦るから....!」

「....」


ミホークは無言でナマエを抱き上げ目の前のテーブルにうつ伏せに押し倒す。
尻を突き出させそこに間髪入れず互いの体液で濡れそぼった陰茎を突き刺した。


「ああっ!」

「この方がまだ動き易い...どうだ、奥に当たるだろう」


重厚なテーブルは激しい動きにもずれることなく耐えるが、グラスに入ったワインの水面は動きとともに揺れる。


「凄、っ...ねえ、もう...ダメ、」

「またか....」

「ひい、っミホーク!や、っ」


休みなく腰を打たれ、背後から乳房を鷲掴みにされ首筋をきつく吸われ耳元ではミホークの激しい息遣いが聞こえる。
あっという間に上り詰めたナマエは身体を弓なりに逸らし絶頂を迎えた。

それでもまだミホークは動きを止めずナマエの奥を責め立てる。
肩を掴まれ逃げ場のない快楽に眩暈がする。


「ミホーク、っや、キスしたいわ..っ」

「.....」

やっと動きを止めたミホークは白い背中にキスをして、その身体を反転させ仰向けにする。
背中にひんやりと感じる大理石のテーブル。
そのまままた最奥へと挿入する。
身体を曲げナマエを救い上げるように起こし口付けを交わす。
互いの唾液を交え小さい舌を吸い上げ歯列をなぞる。ナマエはこのキスが好きだった。


「愛してるわ、ミホーク...」

「...ああ」

ナマエはミホークに抱きつく様に、
ミホークは片手をテーブルに着き身体を支え、もう片方でしっかりと細い腰を掴みピストンを続ける。
食卓の上でこんな行為、ペローナが見たら発狂するだろう。


「....そろそろ、出す」


卑猥な水音を立てる結合部の上の突起を摘みながらさらに深く抽送する。
じゅわっと熱い感覚が広がったと思えばまたきつく膣が締まり、ついにミホークはその膣内に勢い良く精を放った。





脱力したナマエはぐったりとテーブルに背中を預ける。
ずるりと陰茎を抜けばポタリと大理石に精子が零れ落ちた。


「中に出したわね、この人でなし....」

「何の問題がある」

「もう、いいわ。
それより早くテーブルと床を拭かないと..」

「布を持ってくる。
お前はシャワーを浴びるべきだな」

「...立てないわ」

「....待っていろ、先に掃除だ」


素早く乱れた服を直し、万が一の為に自分のコートをナマエに掛ける。
布を持ってきて自分の精子で汚れた床やテーブルを綺麗に拭き取るミホークの姿に、ナマエは小さく笑いを零した。

「...なにが可笑しい」

「いいえ、ただあなたが可愛くて」

「訳の分からん女だ...」


コートを羽織り、ぷらぷらと脚を揺らせば脚を掴まれる。
そっと足の甲に口付けられ、見上げられたその黄金色にまた胸が熱くなった。


「ねえ早く....シャワーに連れて行って」



気のせいか、ほんの少し口角が上がった気がする。
力強い腕で軽々とナマエを持ち上げたミホーク。

大剣豪とその恋人の熱すぎる朝に、ダイニングホールに降りるタイミングを完全に見失っていたゾロとペローナはうんざりしたように溜息をついた。




その十字架に口付けを、
ありったけの愛を込めて