05
「オイ、いい加減にしろ。
どんだけ買うつもりだ」
「そんな。まだドレス4着とヒールを三足しか買ってないわ。今から下着も買わないと」
「付き合ってられねぇ...。
もう道わかるだろ。
戻ってるぞ」
「冗談じゃないわ。誰がこの荷物持つのよ
ちなみに私は絶対イヤよ」
「....お前はその見た目で生まれて良かったな。
それで不細工だったら今頃殺してる」
「あら、この性格が好きって人も沢山いるのよ」
「とんだ変態豚野郎だな」
リヴァイと街に買い物に来て早2時間。
彼の両手は買い物袋で塞がりナマエは次々と店に足を踏み入れる。
憎まれ口を叩きながらもなんだかんだ彼女に付き合ってしまうリヴァイ。街の人々は信じられない光景だ、とそれを傍観していた。
陽も落ちて来た頃、やっと二人は兵舎に戻って来た。
大量の買い物にダンボール。
服や靴やアクセサリー、化粧品に大量の酒。
すっかり生気を失ったリヴァイはそれをナマエの部屋に運び込むと早々に自室へと戻って行った。
「うわあ、大量だね」
「ステキなものが沢山で、つい」
「リヴァイがこれを持って帰って来たんだろ?
見ものだったろうなぁ、女性の買い物に付き合うリヴァイなんて最高に面白いよ!」
「彼、なんだかんだ私にひとつも持たせなかったのよ。
意外と紳士的なのね、惚れそうになったわ」
「あはははは!傑作!
リヴァイ、私にはそんな事絶対しないよ?
もしかしてナマエに一目惚れしたのかも..」
「だとしたら大歓迎よ。
知らない世界で私を温めてくれる人肌は大切だもの。」
「!ナマエって大胆なんだね..
ちょっと照れちゃうよ」
「あら、あなたさえ良ければ私はハンジでも大歓迎よ」
「もうやめてよ!顔から火が出そうだ!
じゃあ、もうすぐ夕飯だからまた後で!」
顔を赤くしながら部屋を飛び出したハンジに微笑む。
クローゼットに今日の戦利品を仕舞い、シャワーを浴びる。
食堂に着ていくのは勿論今日買ったドレス。
ベージュ生地に金の刺繍が施されたシンプルで美しいデザインだ。
「今日買ったドレスか?とても綺麗だ」
「そうよ。リヴァイが選んでくれたの」
「選んだ訳じゃねぇ...」
「だって桃色とこれどっちがいいか聞いたらコッチのがマシだって言ったじゃない」
「随分仲良くなったんだな。妬けるよ」
「あなたのおかげで沢山買えたわ。
ありがとうエルヴィン。
リヴァイも、お付き合いありがとう」
「...ああ」
「今度は私に君の買い物に付き合わせてくれよ」
「あなたがいいのなら、是非。
センスが良さそうだもの」
「美しい君なら何を着ても似合うだろう」
「...そんな臭え台詞よく吐けるな」
「嬉しいわ、ありがとう」
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