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03




リヴァイ、と名乗る彼に連れられ
彼の仲間が待つ場所へと降り立った。

ひゅんひゅんと風を切り空を飛ぶあの感覚は
ドフィのそれとよく似ていた。




「!!
リヴァイ、その女性は一体...」

「あの大騒ぎの原因だ。
一人で廃街にいた20余の巨人全部一掃した」

「一掃って、そんな 武装もせず
何者なの...?ていうか本当に人間??」

「私はナマエ。
突然驚いてるかも知れないけど私もかなり混乱してるの。
ここが何処だか何故ここにいるのかちっともわからないのよ」

「ナマエ!素敵な名前だね。
私はハンジ。ねえ、もうちょっと近くで見てもいい?」




「エルヴィン、ここは一旦戻った方がいいだろ」

「...そうだな、壁内に戻り彼女を保護しよう」





壁内に戻った彼らを人々は怪訝な顔で迎える。
だが皆はすぐにハンジの背後に跨るナマエの姿を見て息を飲んだ。



「おい、一体何者だ あの女性は...」

「人間か...?」

「僕あんな綺麗な人初めて見たー!」



騒めき出す観衆を抜け基地に入る。
ナマエと団長、その他肩書きのある者が一緒に団長室へ向かった。




「息つく間も無く悪いが、ナマエ。
君は一体何者なんだ?あの落雷に竜巻、君が起こしたんだとしたらそれは人間には出来ない所業だ」

「本当に息つく間もなくね。
人間ではないわ。種族で言えばエルフ族よ」

「エルフ、族?
悪いが、多分私達の中で聞いたことある者はいないだろう」

「あら、やっぱりここはグランドラインでも新世界でもないのね。」

「それはナマエがいた場所のことかい?」

「そうよ。私は彼処に来る前は船にいたの。海賊船よ」

「!?船、...?」

「嘘...そこからなの?」



ナマエは多少うんざりしながらもざっと自分がいた場所のことを話した。
大海賊時代のこと、グランドラインのこと、新世界のこと、
海を渡る数多の海賊達のこと。
そしてエルフ族のこと。



「エルフ族の女王....まるでお伽話みたいだ!
でもそれでナマエのその人間離れした美貌にも納得だよ。」

「にわかに信じがたいが、
君はどうやら違う世界から来たようだ」

「やっぱりそうよね。
今度はこの世界のこと、教えて欲しいわ」



ナマエは渡されたティーカップから紅茶を飲みながら エルヴィンの話に耳を傾けた。



「成る程ね、なんとなくわかったわ。
あなた達はあの怪物を倒す為の組織で、街を守り怪物の研究をしてる」

「巨人、のな。
所であの技、一体何なんだ」

「あれはエルフ族の中でも王家だけに与えられた特別な力よ。天候を操れるの。」

「すごいや、まるで魔法だ...!」

「そうね。
ねえ、団長さん お願いよ。
いつ戻れるのか、どうやって戻れるのかわからないの。
だから暫く此処に置いてくれないかしら。
出来ることはするわ」

「勿論、いいとも。
君はいまの私達からして神にも近い力を持っている。
興味があるのは私だけじゃないだろう」

目を輝かせるハンジが大きく頷く。


「とにかく今日はもう休むといい。
ハンジ、客室へ案内を頼む。」








「おい、良かったのか?
あんなに簡単に滞在を許しちまって」

「君は反対か?リヴァイ」

「...まだ信用出来ないだろ」

「上にも暫く報告しない。
様子見、だな」

「...」

「それにしても、まるで女神のような美しさだな 彼女は」

「....気味が悪ぃな」




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