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08





エルヴィンと体の関係を持ったナマエは
その後も何度か肌を重ねることが続いた。
それだけならまだしも、明らかにエルヴィンはナマエにそれ以上の気持ちを抱いているのが一目瞭然だった。



「団長とナマエさんって付き合ってんのか?」

「...たまにデートもしてるみたいだしね。
エレンはナマエさん好きだからショックでしょ?」

「バッ、違ぇよ!憧れなだけだ!
夜に団長の部屋に出入りしてるっつーことは....やっぱアレだよな」

「そ、そうだね...」

「いいなあ...おれの童貞も貰ってくれねーかな」

「エレンにはミカサがいるじゃん」





通りすがりに聞いた話にすら思わず反応してしまう。何故だ、ちくしょう。
こんなことに気を取られている場合じゃない。
これから壁外調査もある。前回の死者、負傷者が膨大であきらかに人員不足だ。
おれが今考えるべきことはそれであって、どっかの尻軽女の事じゃない。




「リヴァイ!聞いた?
今度の壁外調査 ナマエも同行するらしいよ!」

「!あいつが?何故だ」

「あの治癒能力はやっぱりかなりの力になるからね、特別治療班として同行して欲しいってエルヴィンが頼んだらしい!まさか彼女が承諾するとは想定外だよね」

「...あの女がろくな飯も風呂もねェ長旅に耐えられるとは思えねェが」

「まあ今回は比較的短期間だからね。彼女がいたら百人力だ!楽しみだねぇ、壁外調査!」







夜なかなか寝付けず食料庫に隠しておいた酒を取りに部屋を出た。
だが食糧庫には既に先客がいた。
長い髪を纏め上げ、モスグリーンのナイトローブを着た後ろ姿。
顔を見ずとも誰だかは分かる。


「オイ、何してる」

「!!!
脅かさないでよ、リヴァイ」

「こんな夜更けに、ここに何の用だ」

「お酒をくすねにきたのよ」

「....待て、それはおれのだ」


女が手に持って既に栓が開けられてるのは今まさにおれが取りに来た秘蔵の酒だった。


「そうなの?とっても美味しいわね、これ」

「クソ、飲みやがったのか...
寄越せ。酒ならエルヴィンにたかればいいだろ」

「あら、不機嫌ね。
あれ以来まともに目も合わせてくれないし。
そんなにエルヴィンの部屋に行ったのが気に入らない?」

「...テメェが誰と寝ようがおれには関係ねぇ..
勘違いするな、あの日たとえ俺の部屋に来てた所で俺は追い返してた」

「そう....残念ね。
あなたの顔と声、とっても好みなのに」

「誰とでも寝るような不潔な豚女は好かねえ。
それと...壁外調査に同行するようだが道中快適な旅とは言い難い。途中でもう嫌だと喚くくらいなら来ない方がいい。
じゃあな」





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