short | ナノ
欲しがるばかりの屑が一輪


ほしくずコロコロ。あれはなに。あれはぼく。そう。

「いい加減に死ね」

 ペットボトルが立ってたり転がってたり。空のものは殆どない。大抵が、少し残っている。
 部屋の真ん中で横になって、毛布にくるまって。カーテンはいつから開けていないっけ。エアコンはいつからつけっぱなしだっけ。電気はいつから消したままだっけ。
 ごろり、また寝返りをうつ。馬鹿みたいな間抜け面を晒すキャラクターもののぬいぐるみと目があった。
 そいつは笑う。笑う、笑う。こっちを見ている。こっちを見て、笑う。
 目が痺れてきて、なんだか気持ちが悪くて、そいつにむかって笑った。
 ぬいぐるみは最初から笑っちゃいなかった。

「なあ、なあ、」
「黙って死ね」
「こいつ、やるよ」

 僕が僕に包丁を降り下ろす。ああ、勝手にやっていろ。なんど僕が僕に殺されようと事実死ぬことはないんだ。
 だから大人しく死ね、クズ。

欲し屑ゴロゴロ。荒れ花に。在れ花に。掃。


2013.12.19



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