グラハム
「やあおはようなまえ、目覚めの気分はどうかな?」
「朝あなたが部屋に来なかったので大分よかったです、でも今あなたに会ったので凄く胸くそ悪いです」
「それはよかった!」
「(あー大分よかったしか聞いてないこいつ)」
「朝食を共にしようと思ってね、部屋の前で待っていたのだよ」
「半分スト……あの、気持ちだけ頂きたいんですが。あなたも今日お暇じゃないでしょう?」
「ああ、二時間後の私は上空にいる」
「乗る前食べてよく気持ち悪くなりませんね」
「君という名のスパイスがあれば、私は何でも食べれ」「あれですか鈍くて酔ってることにも気付かないんですかそうですか」
「だが君の出張期間はカタギリに聞いた所、たったの一ヵ月しかないのだろう?ならその些細な時間くらい大切にさせてくれたまえ」
「(わたしはむしろ早く支部に戻りたい)…ありがとうございます」
「つまり私は一ヵ月で君を物にしなくてはならないという事になるのだよ、小さな時間も惜しみたい」
「じゃんじゃん無駄使いして気付いたら忘れていて下さい」
「私が君の事を忘れられる訳がないだろう、私のなまえっ」
「すでにあなたの物にされた覚えはありません」
「え?」
「は?マジ顔? ……大体お偉いさんが技術者の卵みたいなわたしなんかに構って良いんですか、いくら昔馴染みとは言え」
「小さいきみもかわいらしかったなあ…」
「走馬灯にしてほしいんですか? 普通にエーカーさんの容姿と地位ならかわいいお嬢様ぐらい捕まるでしょう」
「私はかわいいお嬢様なんかより、きみの方がよっぽど良い」
「つまりわたしはかわいいお嬢様にまったく当てはまらないと」
「失礼、言い方が悪かった様だ。言い直そう、私はかわいいだけのレディには惹かれないのだよ」
「そんな上手いフォロー出来る程頭回るならもう少し自分の安全を考えてほしいです」
「おや、心配してくれるのかね私のなまえ?」
「その都合いい解釈もやめなさい!」
「ツンデレというやつかな、可愛らしいじゃないか」
「わたしあなたにデレた事ありますか!?」
「まあまあ、朝食代が浮くとでも思ってくれたって構わない。さ、行こうなまえ」
「え……別にそんな事は思ったことないですけど」
「おや、デレが来たかな?」
「は、早く行きますよ行かないんですかバカ!」
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