裁判シリーズ | ナノ

有罪 4


会長VS委員長  無罪・・・・
え?


委員長VS会長  有罪・・・・

え?「誘惑罪」とか訳の分からないのでですが?


速記する自分が間違ったことを書いているような気がしてなりません。


でも会長が気が狂ったような怒声を響かせているので、僕の耳がおかしくなったわけじゃないでしょう。


なんで委員長が無罪で会長が有罪なのか、僕は真剣に理解できません。


陪審員たちを見ます。

6人中、僕の知っている人は4人です。


1人は・・・・・委員長の熱狂的ファン。というより会長と恋を実らせるのを応援する会、会長じゃないですか?そんな人、陪審員にいれていいんですか?

もう1人は、この学園では隠れる必要も無いんですが、隠れホモです。ホモなんて一杯いるので、性癖を隠す意味もないんですが、隠しています。

もう1人は、中学校の頃、会長と会長選を戦って破れ、それ以来落ち目になった人。

最後に知っている人は、会長の従兄弟・・・・一見味方になりそうですが、仲悪いそうですから。そんな人、陪審員にいれていいんですか?だから会長負けるんですね。



これは全くの偶然だったようですが、会長には可哀想な選出だったと思います。陪審員はパソコンでランダムに選出されます。誰の意図でもなく、会長に不利な人が集まってしまったんですね。ただの不運ですが、それでは会長はすまないでしょう。

アメリカの裁判は陪審員選びから、裁判が始まっていますから、実際陪審員の選出は裁判の行方を左右します。

うちの学園では、陪審員選びまでは口を出せません。純粋なランダムなので、こういう悲劇もたまに起こってしまうのかもしれませんね。


「では、このような判決が出たので、会長は委員長のインポを治してくださいね」

「ふざけんな!こんなぶざけた裁判知るか!俺は退学する!」


僕でも退学します。


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