裁判シリーズ | ナノ

有罪 2


確かに、会長はとても魅力のある方です。それは否定するつもりは毛頭ありません。しかし、だから会長が悪いと言う理屈は、どう考えてもおかしいのでは?

書記官として書類を作成している僕は、委員長を主張を書類に記載する時点で、もちょもちょする気持ちを抑え切れません。

陪審員が評議することであって、僕の意見は今回の裁判で全く関係が無いとはいえ、そもそも『誘惑罪』ってなに?という根本的な疑問がわきあがって仕方が無いです。



「会長は存在しているだけで、俺を誘惑している!」


それはまあ、存在そのものが劣情を催させるという主張も、同じ男として分からないでもないですが。

魅力的に生まれてきてしまったから、お前が悪いと言われているも同然ですよ。

ある意味逆差別です。会長がいくら魅力的でもストーカーをしていいわけないのに。


「俺は精神的苦痛も受けている」


え?それってどんな?会長みたいに具体的な被害を受けているんですか?

会長がなにか委員長にしたんですか?

基本的に会長が逃げ腰で、委員長が迫りまくっているだけでしょう?会長が何かやっているのは見たこと無かったですよ?


「それは何ですか?会長が、貴方を殴ったとか、委員長の実家に企業買収をしかけたとか、なにか具体的な行動をしたんですか?」


「会長以外には勃起できなくなった」


ああ、そういう方向にですか。局所性インポってやつですか?


「何を見ても、できない。自慰すらできないんだ。写真でも妄想でも無理だから、会長以外で欲求を晴らそうと思っても出来ない。唯一成功するのは、朝会長が寝ているときに、会長の手で握らせてやるか、会長の股に入れてやると、成功できた!……だが、それいがいは、ピクリともしない」


「お、お前俺が寝ている間になんてことを!」


僕はむしろ何でそんなことされて会長が寝ていられるのか不思議です。


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