友情 2


春哉が俺にだけその性癖を告白して、俺が駄目な返事をしてしまって、数年たった。中学生の頃。また相談された。

いわく、性欲がたまって、どうしても男同士のセックスがしてみたい。でも相手がいない。

自分の正体を隠して変装でもして新宿2丁目でも行って来ようかと思う。またはゲイの出会い系サイトで相手を探してみる。など……

俺は過去の過ちを正すべく、2丁目ハッテン場や掲示板などをネットで調べてきた。

そうしたら……フリーセックスや性病、複数での乱交など良い物はまったく出てこなかった。こんなところ行って、中学生の春哉がどんな目にあうか分からないだろ!病気だってもらってくるかもしれない!と怒った。

絶対に行くなって言ったら、ゲイの俺が出会える相手なんてこんなところで探すしかないって泣かれた。

しかも家のせいで本当の自分も曝け出すことができないって。

泣いて泣いて手がつけられなかったので、俺は信頼できる恋人ができるまで、俺の身体を使ったらどうだ?って言ってみた。

春哉にも好みがあるだろうけど、春哉の性癖知っているのは俺だけで、まあ、病気の心配もない。これで泣き止むか分からなかったけど、そう言ってみた。今度は返事間違って、傷つけないと良いと思いつつ。


「とも、とも気持ち良い。とものお尻気持ち良いっ」

と、今も気持ちよさそうに腰を振っているので、あながち間違った答えではなかったみたいだけど。

いつまでも俺の身体で解消していてもなあ、という思いがある。ずっとって訳にもいかないし、どうしようと思い、部活の先輩に相談してみた。

春哉と同じ趣味を持つ先輩に、春哉のことは隠して、こういう事情でいいアドバイスはないかと。

先輩は俺がノーマルなのに、男とセックスしていることに驚いたようだったが、先輩が言うには、俺が構いすぎているために独り立ちをしないのではないかというものだった。手近なところで欲求を解消できるので、他所に目が行かないのではないかと、あながち間違った答えではない。もともとずっとそうは思っていたのだ。


だからと言って、突然突き放すのも可哀想だし。理由もなくそうしたら傷つくだろう。

「ならさ、俺と恋人になったとか、そういう理由があればその子も文句ないんじゃない?恋人がいたら、その子とエッチしない理由になるだろ?」

「でも……先輩にご迷惑じゃないですか?」

「構わないよ。知明の力になれるんだったら」


というわけで、春哉に男の恋人ができたので、もうエッチなことはなしなと言ってみた。お前も相手を探せよ、と。


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