『愛』   (王道→会長×一般生徒)   4


「そんなこと会長がするはずない!全部ウソだ!ウソなんかつくなよ!」

「信じたくないのは分かるけど、本当なんだよね。みい君。ねえ、みんな?」

俺の取りまきは生徒会や風紀に属しているものが多い。だから、みんな会長のことに詳しい。その皆が否定しない。

「会長に聞かないと信じないっ!」

「やめろ!本当に何されるか分かんないぞ?」

「みい君、このまま退学した方が身のためだよ」


何でだよ!何で俺が辞めないといけないんだ!

勝手にあいつが自殺しただけじゃないか!俺のおじさんは理事長なんだ!

あいつのほうこそ俺が辞めさせてやる!


彼に真偽を確かめようと、生徒会室に入って行った。


そこで目にしたのは。手に包帯を巻いて、表情の定まっていないあいつと、あいつを大事そうに抱きしめてキスをしている彼で。

可哀そうに、痛かっただろうって、俺には聞いたこともないような甘い声で、あいつに囁く彼。

あいつは彼の言葉を理解していないみたいだった。視線さえあっていない。それでも彼は構わないみたいで。


俺が入ってきた音に反応してこっちをみたけど、ただそれだけだった。目の前で首切ろうとしていた俺の顔を見ても覚えてもいない。

彼はあいつに薬を飲ませると、ゆっくり眠るんだと、撫でた。すぐに眠りに就いたのを見ると、睡眠薬なのかもしれない。あいつに毛布をかけると、やっと彼は俺を見てくれた。

でもその目は、虫けらを見る目じゃなくて、憎しみに彩られていた。


ああ、あいつらの言ったことは本当だったんだなって、俺は彼に殴られ、気を失いながら思った。



*この後王道主人公は・・・取り巻きの忠告に従っておけばよかったと思う人生になりました。
救いがなさそうな話なんですが、ハッピーエンドじゃん、、、と思ったのは作者だけでしょうか?(爆)


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