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ガチホモは愛という言葉があれば許されると思っている。
ガチホモはきっと夢は絶たれたかもしれないが、何でもありの世界になって嬉しいのだろう。ホモ行為を強要しても強ければ許される世界になってしまったのだ。
むしろ女を相手にすると妊娠などの問題もあって、他にも生き残っているやつらの中でもホモが蔓延しているかもしれない。
こんな世界になってしまって医療が崩壊しているのに妊娠などしたら死活問題だ。上手く赤ん坊が生まれたって、音に敏感がゾンビを呼び寄せるだけで、デッドエンドだ。

だからここ以外でも男同士乳くりあっている展開もありだろう。
クラスメイトたちは、ガチホモは格好良くって、強くて、守ってくれて、頼りがいがあって、大切にしてくれていて何が不満なんだ。
と、自分が被害者じゃないから口々にそう言って、俺を納得させようとする。
奴らからしてみれば、俺がいなくなってしまったら、ガチホモに守ってもらえなくなるだろうから必死なのだろう。

しかも外はゾンビの世界だ。逃げようもない。だから奴らは安心しながら、俺を差し出しているんだ。

「恵……そんなに俺を嫌わないでくれ。恵だって分かっているだろ? 俺がいないと生きていけないし、ここから出ても生きていけない。俺が守るから、俺を好きになってくれ」

「好きになんかならなくても良いって言った」

身体だけで良いと言っていたはずだ。最もそれだって俺は納得していない。

確かに俺たちはガチホモがいないと生きてはいけないだろう。
最近は体育館の周りにはそんなにゾンビはいないが、窓から周囲を見渡すとゾンビしか歩いていない。たまに決しの覚悟でか食料を求めて出歩いている人間を双眼鏡で見かけるが、大抵そいつらもすぐゾンビになっていた。

ガチホモがどうやって出歩けているか分からないが、類稀なる運動神経を誇る男だ。
ゾンビの中でも平気なのだろう。

そうやって単独で外界に出ては、貴重な物資を持ってきてくれるが俺は感謝なんかしていない。
人に無理強いしておいて、愛しているとか大事にしたいとか、ちんこ突っ込みながら言って、何か説得感ありますか?

確かにガチホモがいなくては俺たちは生きていけないのだろう。
ゾンビが餓死するか腐敗するのを待っていたが、真夏でも腐敗せず、人間様たちがほとんどいなくなって餌もないだろうに、何故か元気に動き回っている。
これではそのうちいなくなるかもという、楽観視はもうできない。
俺たちが生きているのはガチホモのお陰で、あの感染速度を思えばもう日本に生きている人間はどれほどなのだろうか。
この学校で生き残れたのはおそらく俺たちくらいだと思う。そう考えれば、生徒数1200人+教師たち100人で1300人の内生存者は6名。約0.5%の生存率だが、どのグループにもガチホモのような強者がいるとは限らない。その上、俺たちのように食料や避難場所に恵まれているとは限らない。
俺たちのように目の前に体育館のような好条件があるものたちも中々いないだろう。ゾンビが発生して数分あるいは数十分の避難が、生死を分けたのだと俺は推測する。
だとしたら生存率は0.1あるかないかではないだろうか。

とすれば生き残っている日本人は、数十万人〜数万人だろうと推測する。
ただしこれは日本各地に散らばっており、集結してゾンビに対抗することなど不可能である。
ゾンビは何千万といるのだ。

そう考えれば、ゾンビの世界で絶望しながら、俺たちクラスメイトはガチホモに頼りきって生きていくしかないのだ。
そして捧げられるのは俺の尻……俺は生きている限り永遠に尻を酷使されることになる。
医者もいない世界で、俺の尻が痔になったらどうするんだ!!!!!

ガチホモは俺に飽きてくれないのだろう。あれでも純愛派らしく好きな男とだけやりたいらしいので、他のクラスメイトを尻奴隷にすることは無理だとは俺も分かっている。
だとすると俺はずっとガチホモのちんこを突っ込まれる余生を送ることになる。

ただでさえゾンビ帝国になって、お先真っ暗なのに、ガチホモの肉棒バッドを永遠になんて嫌だ!!!!!

俺に無理強いするガチホモが憎い!!

もっと言うならそれにあやかってのほほんと生きているクラスメイトはもっと憎い!!!

どうせもうゾンビの世界しかないんだ。
派手に復讐してやる!!!!!


ガチホモの奴は朝まで俺を離さなかったが、俺にシャワーを浴びさせ(ガチホモが洗う)服を着せ、何時ものようにベッド(何と脹らませるタイプの簡易ベッドと肌触りの良い布団をいつの間にか持ってきた)に寝かせると物資の調達に出かけていった。

憎っくきクラスメイト達は見張りや、ガチホモが調達してきた資材などで日々体育館を強化していっている。

いくら鉄の分厚い扉でできた体育館とはいえ、ゾンビが数百・数千単位で押し寄せたら、物量に負けてしまうだろう。いくら強化しても駄目なものは駄目だろうが、それでもやらないほうがマシだろうということでしているらしい。まあ、数千単位で押し寄せることは余程騒がない限りないとは思う。
窓から見るゾンビたちは市街地に行ってしまったようで、それほどいない。10体ほど周りにいるくらいだ。
しかし俺の目的を達成するには10体いれば充分だ。

強化した扉でも、ガチホモが出入りする扉だけは開閉できるようにしてある。

俺はクラスメイト達に気が付けれないように、その扉にそっと近づく。

音がしないように扉の錠を外すと、扉を開けた。思いのほか大きな音がガラガラと響いて、クラスメイト達が騒ぎ出したがもう遅い。

ゾンビ達が体育館の中に入ってくる。

「何やっているんだ!?? 皆瀬!」

「早く閉めろ!!」

騒げば騒ぐほどゾンビは集まってくる。

「はははははは!!! 俺たちは死ぬんだ!!! ざまあみろ!!!」

俺がクラスメイト達にできる最大の復讐で、ガチホモも俺の死体を見て泣けばいいんだ!!!!

一石二鳥とはこのことだな。


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