抗議などせずに、そのままギルフォードの好きにやらせれば良かった。そう後悔したが、全てにおいて初心者の私にギルフォードのやりたいことなど分かるはずもなかった。私の抗議に反省したらしく、ギルフォードは懇切丁寧に一からやり直すことにしたらしい。
私はさっさと終わらせてくれたほうがずっと良かった。覚悟は決めていたのだ。こんな辱めを受けるくらいだったら、さっさと犯されたほうがマシだっただろう。
「はあ……エミリオ、エミリオ可愛い……早く僕のを入れて、エミリオを孕ませたいよ」
今ギルフォードは私の足の指をしゃぶっていた。王子のくせに、王族とはいえ末端の王位継承権もない私に良くそんな真似ができるものだと、私の侮蔑の視線も構いもせずに私の体中を嘗め回していた。
「エミリオ……僕を軽蔑しているんだね?良いよ、僕を軽蔑して……そのほうがエミリオを征服して抱いているんだって言う実感がわくよ。その内、僕を見ると軽蔑じゃなくって、僕のペニスを入れて欲しいって目にさせてみせるからね……どのくらいでエミリオの処女の身体を屈服できるかな?」
「馬鹿か……貴様の汚い性器を欲しがる日などくるはずがない!御託は良い、さっさとやれ!」
「だったら、エミリオ、僕のをその可愛い口で舐めてくれる?」
私はギルフォードに犯される覚悟はもうついていた。ただの任務だ。そう思うことで私はこの屈辱を耐える自信はあった。
しかし、ギルフォードの性器を口にすることなど、無理だ。
「……私は貴様に犯されることは承知したが、貴様に奉仕する約束はしていない。そんなグロテスクなものを見たくもないのに、口にすることなどできるはずがない!」
「エミリオが辛くないようにだよ……」
「どんなに痛みがあったとしても構わない。そんなもの、一生口にするつもりはない……そうだな、私の国の伝統のように、貴様が純潔であったのなら少しは考えただろうが、どこの誰に入れたか分からない不純なものを私に口にさせようなど、侮辱だとは思わないのか?」
私が侮辱だというと、ハッとしたようにギルフォードは顔をゆがめた。
「本当だったら、そんな汚い物を入れられたくもない。エルウィンやルカ王子のために我慢をしているだけだ」
私の言葉にやる気を失ってくれたら儲け物だと思いながら、ギルフォードの物を貶した。
「……そうだよね。ごめん……エミリオにこんな汚い物を舐めさせようとした僕が頭がおかしかったんだ。僕も、エミリオが初めてが良かった……でも、どうやっても過去を変えられないんだ。だから、口は絶対に汚さないようにするから……こっちは我慢して僕に汚されて?」
ギルフォードの指が彼の精液で散々解した場所を広げる。
「エミリオ、入れるよ。痛かったら言ってね。僕のちょっと大きいから」
痛いといったら止めてくれるのか、だったら言うが、ギルフォードは痛いといっても止めてくれることはないだろう。もし今止めてくれたとしても、いつかは最後まで抱くつもりだろう。だったらさっさと犯されたほうがましだ。
「うっ……ああっ」
何がちょっとだ。有り得ないほどでかいだろう。どうしてこの美しい、抱かれるほうが余程似合うような可憐な容貌をした男の性器がこれほどでかいんだ。
自分以外の勃起した性器などギルフォード以外見たことはない。だが軍に所属している身だ。男の全裸は見慣れている。暫定婚約者の全裸を見て、その時は私が妻になる立場だったので、隊長とは絶対に結婚したくないと思った。勿論隊長の勃起をしたところなど見たことはない。だからギルフォードと比べることなどできない。だがギルフォードのものは、確実に大きすぎる。悲鳴が噛み締めた口から零れ落ちるのを止められなかった。
「やめっろっ……無理だっ!」
ギルフォードのほうを見ると、これほど苦しいのにやっと先端が入り込んだくらいで、まだ大部分が挿入されないまま残っていた。あれを全部入れるなんて無理だ。残っている部分のほうが遥かに長い。
「エミリオ、エミリオ、もうちょっとだけ頑張って?ちょっとづつ入れていくから……凄く時間をかけて、エミリオの可愛いここを裂けないようにするから。エミリオのも可愛がってあげたいけど……エミリオ緊張して感じてくれないから」
私は先ほどまでギルフォードにどれだけ奉仕されようとも何も感じなかった。だが今は身体を割かれる痛みで、全身を支配されている。
ギルフォードは言葉通り、私を押さえつけながら、時間をかけてギルフォードの性器を挿入しようとしているが私にとって拷問でしかなかった。
こんな時間をかけてギルフォードの性器に犯されるくらいだったら、いっそ引き裂いてくれたほうが良い。
「エミリオ、半分まで入ったよ?ほら、触って?」
無理矢理結合した部分に触れさせられ、目だけではなく、指でもギルフォードに侵食されているのを感じさせられた。どうして耐えられるなんて思ったのだろう。任務だと、自分の純潔などどうでも良いと思っていた。騎士として私がいますべきなのは、あの二人を助けること。今出来ることは、あの二人のためにギルフォードの言うなりになることだけだ。
だから我慢できるはずだと思っていた。
だけど平気でなどいられない。
「ここまで来たら、あとはすぐだよ?……全部っ…ほら、入った」
ギルフォードは嬉しそうに微笑むと、絶望し犯されている私を嬉しそうに見た。
「今から、エミリオの胎内を僕の精液で一杯にして、孕ませるけど……汚いのは僕で、エミリオは何をされても綺麗なままだから、死のうとなんか思わないでね」
死にたいけど、死ねるはずはない。騎士としての誇りがある限り、どんな目にあっても生き延びて二人を祖国に帰さなければいけない。
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