私はギルフォードのような男を良く知っている。
親族の兄弟たちにそっくりなのだ。勿論性格は違う。だが本質があまりにもよく似ていると思った。
愛があれば何をしても良いと思っているところや、自分の思い通りにならないと相手の気持ちなど考えずに、自分の欲望のほうを優先させる身勝手な性格。

本人たちは、自分は悪い人間ではないと思い込んでいる節すらある。
彼らの言い分は一様に、好きになってくれないのが悪い。

つまり、ここでは私が一番悪く、ギルフォードは切ない片思いをしている人間だということなのだ。

「……私はずっと貴様のその綺麗過ぎる顔が好きではなかった。好みでも何でもないし、見ていても楽しくも何ともなかったが、今は吐き気がするな」

ギルフォードもそう言った。確かに彼は長年私を想ってはいただろう。3年前くらいから求婚をされ続けていた。ただ、私はこれぽっちもギルフォードのことを愛してはいない。いや、むしろ今は嫌悪で震えそうだ。

その愛していない男に今から抱かれる。
何とも想うまい。私は騎士だ。守るべき人を守るためにすることだ。ここで起こったことは、悪夢だと想って忘れる。だから、何をされようが大丈夫だ。それに魔力のないギルフォードでは私を妊娠させることなど出来ない。それだけが今の私にとっては救いだった。

「本当は、合意でしたかったんだ。こんな脅すようなことをしておいて信じてくれないかもしれないけど……こんなことはしたくはなかったんだよ?でも、僕がどんなにエミリオを愛したとしても、エミリオは一生僕を愛さない。だから、仕方がないんだ。ごめんね、エミリオ……欲望に負けた僕を許して」

そう、懺悔をしながら私の服を脱がしていく。こういう男が一番嫌いだ。謝りながら、人が嫌がることを平然とする。謝るならすべきではないだろう。だからギルフォードは実は全く悪いとは思っていないに違いない。

「エミリオ……綺麗だ。この身体が僕だけのものになるんだねっ……僕、エミリオの身体を見ただけで我慢が出来なくなっちゃいそう。でも、処女のエミリオに痛い思いをさせたくないから、手をかして?」

「な、なにをする!?」

私は何もするつもりなどなかった。ただギルフォードの好きにすれば良いと、歯を食いしばってこの屈辱的な時間を耐えようと思っていた。だがギルフォードは私の手を握ると、彼の汚らわしい物を握らせ、その上から更に彼の手を重ねられ離さないようにされる。そのままギルフォードの物を私の手で扱かせる。
私は軽蔑以外の目をギルフォードに向けることはできなかった。呆然とギルフォードの手で彼の性器を握らさられ、ギルフォードが達するのを見ていた。そして手の中に大量の体液を吐き出した。

「エミリオが触ってくれたから、こんなにでちゃった。僕、エミリオの中に僕以外の物を入れたくないから、僕の精液でエミリオの中を解そう」

良いことを思いついたとばかりに、私の手の平についた液体を取ると、ギルフォードは私の足を広げ、誰にも触れられるとは思っていなかった場所に触れようとした。

「止めろ!」

我慢しようと思っていた。エルウィンたちのために我慢しなければいけないとも思っている。だが、あまりにも即物的なギルフォードの行動に、嫌悪感のあまりにそう叫ぶの止められなかった。

「え?舐めたほうがいいかな?僕も舐めたいんだけど、そっちのほうがエミリオ嫌かなと思って……どっちが良かった?あ、ちゃんと後で舐めてあげるよ」

「そういう問題じゃっ!」

「ああ、そうだよね!ごめんね……キスも前儀もまだなのに、エミリオの可愛い穴を可愛がるのは駄目だよね。こっちは最後の楽しみにしないといけなかったのに、僕って好きなものから食べる主義……早く早くエミリオの中に入りたくて仕方がなくって……こらえ性がなくって駄目だよね。処女のエミリオを相手にしていたのに、礼儀がなってなくてごめんね」

陛下や両親がギルフォードと結婚させたくなかった訳が分かった。外国人と私の国の人間はやはり感性が違いすぎる。こんな男と結婚して幸せになれるはずがない。

「エミリオ……キスからはじめるね。ふふ……可愛い。早く、エミリオの中に入って、僕の精液でグチャグチャにしたい」

ギルフォードは先ほど出したばかりなのに、もう勃起し直して私の腹にその欲望を押し付けながら、私の唇を奪った。


*ただの変態。



- 51 -
  back  






×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -