「じゃあ、あとね……ジブリール。パンツが問題なんだって」

「ええ!!?? 何でですか? だって隊長だってエルウィンのパンツ被っていたじゃないですか!!!??? 尊敬する隊長がやっていて、どうして悪いことなんですか!!??」

心底理解できないとでも言うように、そうジブリールは驚愕した。
うん、確かに隊長もやっていたけど……僕はそう気にはしないけど、奥様からジブリールのパンツ被りをどうにかしろと言われているんだよね。

「確かに隊長もやっていたけど……君は分隊長になったばかりなのだから、国王になられる隊長が許されるから君も許されるという訳ではない。身分を弁えたまえ!!!」

国王になる隊長と並列に考えてはいけないんだ!!!

国王になる隊長は何をしても許される。けど、ジブリールには同じことを許されると思っては大間違いだ!

「デニスは隊長に憧れていたんです……僕も、そんなデニスに愛されるにはパンツを被るしかないと思いました。実際被ったらとても心地が良くて、デニスを何時も近くにいるように感じられて、手放さなくなりました。パンツを被っていないともう落ち着かなくて、禁断症状が出ると思います。仕事も手につかなくなってしまと思うんです」

そうか……わが国で禁止物資としてある麻薬やタバコと一緒なのか? デニスのパンツは。

僕はグレイがいてくれるだけで幸せだし、奥様の中身があるからパンツに執着があるわけではない。ジブリールからおすそわけされたエッチなパンツをグレイにはいて貰うのは好きだけど。
グレイはエッチなパンツを何時もはいてくれるわけじゃない。僕が褒められるようなことをしたり、お利口にしていると、たまにご褒美だと言ってエッチなパンツをはいてくれる。そういう時は、いやらしいことしても許してくれる。エッチなパンツをはいている時のグレイは王様みたいなんだ。
つまり僕はエッチなパンツをはいたグレイは好きだけど、エッチなパンツ自体に愛があるわけじゃない。

あまりジブリールの気持ちを理解できないが、グレイの命令だからなんとかしなければいけない。

「でも……パンツを被るのは高貴な方しか許されないんですね……僕、デニスのパンツがなくて生きていけるか自信がありません」

「まあ、隊長なら許される行為だろう」

「むしろ、隊長くらいしかやらないんじゃないのか?」

「いや、隊長でも許されていないだろう。だからエルウィンに嫌われているんだ。もう一年以上もさせてもらってないらしいぞ。ジブリール、俺たちは別にお前がパンツを被ってようが、デニスの匂いを嗅いでようが構わない。ただ、忠告しておくが、パンツを手放さないとそのうちデニスに夜の生活禁止令を食らうかもしれないぞ」

どこでもかしこでも交わるエリオットに言われたくないかもしれないが、その可能性はあるかもしれないね。

「そんな! デニスはとっても優しいし、パンツ禁止なんて一度も言われたことないですよ! 僕の事年下だからかとても可愛がってくれて、ベッドの中でも凄くいやらしいパンツも何時も嫌がらずにはいてくれるんですよ!」

年上の奥様は金のわらじだって言うもんね。僕のグレイも1つ年上で、凄く頼りになる奥様だ。僕のことをしっかり管理してくれて、何時もとっても優しい。甘えさせてくれるし、僕はもうグレイなしでは生きていけない。
エリオットやジブリールみたいにベッドの中で好き勝手させてくれるわけじゃないけど、でも僕が頼めば三回に一回くらい言う事聞いてくれるし、何よりもグレイは僕の子を身篭ってくれている!!

ここにいる夫婦は皆魔力が高いのと、夫婦の魔力の差がそれほどない。そのせいでかなり妊娠しにくいらしい。けど、僕のグレイは一番に僕の子を妊娠してくれたんだ。それってグレイが僕の事を一番愛してくれている証拠だよね。

「いくら、デニスが良いと言ったところで、僕の奥様が駄目だと言っているので駄目」

「まあ、われわれも同じ分隊長で一人だけパンツを被っていられると見苦しいのも確かだ」

「問題はパンツと言う形状になっていることなんだろう?」

そういう問題だったんだろうか? とにかくグレイがパンツを被らせるのをやめよと言うから。

「パンツという形状が駄目なら帽子にすれば良いだろ?」

「パンツを帽子に変形させれば良いんだ」

「でもそれじゃあ、匂いがかげません!」

「匂いが重要だというのなら、じゃあ、マスクにしたらどうか? 変形させてマスクにすれば、何時でも匂いが嗅げるだろう」

マスクならしていても問題はないしね。

「パンツと言うエロい形状も好きだったんですが、仕方ありません。隊長との身分格差というやつですね」

「ジブリールは花粉症で、いつもマスク着用が必要と言う事にしておけばいい。これでグレイも煩く言わないだろう」





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