(何故か夫視点で回想が始まります)

「あ〜あ……パイパン令って何だ? パイパンにするって……俺細かい魔力の使い方苦手なんだよな。自分で剃れっていうのか?」

フェルナンはそういえば細かい魔力操作は苦手だったよな。確かに私もパイパンはどうかと思うが、隊長命令だ。仕方がない。分隊長自らが隊長の命令に背くことはできない。むしろ率先して命令に従ってこそ、部下の誉れだろう。
私は細かい魔力操作は得意だったので、自分で自分の股間をパイパンにするのは簡単だった。しかしフェルナンはそうもいかないのだろう。
腰にタオルを巻いたまま、脱衣室で頭を抱えていた。

「フェルナン、そんなに苦手なら俺が魔力でやってやろうか?」

「え?……いや、流石に恥ずかしいだろう? 自分で何とかするよ」

「そうか?」

ここは高級仕官用の風呂なので人数は少ない。フェルナンは私が風呂に入っている間も頑張ってパイパンにしていたようだった。

「う〜ん……上手くできたのか?」

風呂から出るとフェルナンが鏡の前で全裸で自分の股間を見ていた。何気なくその下半身に目をやってしまった。
普段はそんなぶしつけなことはしない。だが、フェルナンのパイパン姿は!

素晴らしかった!!!!!
陶器のような肌なのは知っていたが、フェルナンの毛一つなくなった処女地は男のロマンを体現したそのままだった。
今すぐそこにキスしたい! いいや、舐め回したい!!!

「フェルナン、キスさせてくれ」

「は? ジュリア、お前何を言ってっ」

「そのパイパンにキスさせてくれ! 舐めさせてくれ! 私のちんこを擦り付けさせてくれ! そのパイパンを管理させてくれ!!!!」

「滅びろ! この変態が!!!!!」


それから先、俺が風呂場に行くとジュリアは他の分隊長をたちを追い出し、フェルナンのパイパンは私の物! 宣言をし、ほんの少しでも毛が伸びてくると私が管理する! と魔法で押さえつけ、魔法で毛を除毛し、パイパン用肌化粧水・乳液クリームをつけられケアさせられ続けた。
何なんだ! この変態は!
つい先日までジュリアはこんなんじゃなかったはずなのに。

かといって、俺に結婚して欲しいとかは言って来ないし、魔法で人の身体を押させつけても、性的行為をしてくるわけでもない。ただし、下半身の物は明らかに勃起し、人の足に当たっていたが。
エミリオ分隊長に泣き付いても、いや、強姦しているんだったら処罰できるが隊長のパイパン令を守っているだけなので、ジュリアを処罰できない、かな? と適当な事を言って無視された。
だって毎日綺麗に処理をしてくれているだけだろう? ジュリアは良いことをしているんだ。と、おそらく関わりたくないばかりにそんなことを言っていたのだろう。この時期になると変な分隊長ばかり出てきていて、処罰ばかりしていると人員が足らなくなるからだろう。

下半身を管理されていて結婚しないのか? と同僚に訊ねられたが、そもそも分隊長同士結婚する事は殆どない。だいたい似たような魔力量だし、ジュリアの場合は俺より高いが、基本俺たちほど高くなるとどうしても相手を支配したいという欲求が高いので、基本妻を娶るほうだ。
ジュリアの妻になる事など考えたくもない。

だいたいジュリアを見ろ。

『パイパンを崇める会』の会長をしていて、隊長を名誉会長に迎え、総勢100人以上の信者を増やしつつある男だぞ?

そもそも俺には親が決めた相手だが婚約者がいるんだ。ジュリアもそれは知っているので俺のパイパンの管理をするだけで留まっているのかもしれない。

とにかくジュリアのパイパン友の会とかイアンの人形と結婚する会とか、変なのが周りにいすぎなんだ。何でだろうと思っているうちに、変な作戦が始まってしまった。
隊長じきじきにエルウィンとエッチをするための作戦を考えるようにと指示され、俺も何だか変な雰囲気に呑まれて台本を作成してしまった。
エミリオを犠牲にするようにとも指示され、泣きついたのに無視された過去も相まって、つい正気では有り得ないような台本を作成してしまったのだ。きっとどうかしていたのだと思う。
エミリオ分隊長には物凄くすまないことをしたと反省している。

しかしそのせいで罰として閉じ込められた部屋で、ジュリアに押し倒され、パイパンを5時間くらい嘗め回されて、犯されながら『はあはあ、可愛いよパイパン。私のものをずっぽりと納めながら見るパイパンは絶景としか良いようがない!』
と騒いでいた変態を押し付けられた時点で罰は受けていると思う。

結婚したらそれまで魔法でおさえつけられていたのが、背面から抱きつかれて突っ込まれた体勢でパイパンを毎日鑑賞され剃られる身になった時、もはや俺の人生は終わったと思った。


「俺のジュリアは話して分かる変態じゃないんだ。とにかくパイパンが好きで、外ではその嗜好を広めるな、話すなと言っても、愛好の同士がいるんだし、何が悪いか分からないといわれて……躾と言ってももうどうして良いか分からない。仕事はちゃんとしているんで、パイパン好きにはもう目を瞑って欲しい」

「未来の国王を味方につけているから、余計善悪の判断がつかないんだろう……しかし仕事はしているが、パイパンと大きな声で叫んでいるためクライス副隊長に相当嫌われているらしいぞ。隊長候補の最後まで残ったというのに……」

「良いんだ……俺もジュリアが隊長なんかになったら恥ずかしかったから、今日初めてジュリアが変態で良かったと思いました」

いや、変態じゃなければ隊長になるのも恥ずかしくなかっただろうし、変態だから恥ずかしかったんだろう? なのに、変態に感謝をするのはおかしくないか?

同じ変態を夫のもつ身として私シエラはフェルナンに突っ込みを入れたい気分だった。



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