「何それ! 僕の息子たちに難癖をつけて! 僕の息子たちはアンリ様に良く似て、素晴らしい息子たちなのに!!!」

「僕のギルのほうが常識的で、エミリオが一番幸せな奥様だよ」

うん、否定はしないけど。しないけど……ギルフォード王子もあんな作戦に加担するくらいだから、根底では全然常識的じゃないだろうけどな。

いや、そんなことはどうでも良い。ユアリス様が怒っているじゃないか!
この人も夫自慢息子自慢な人だから、同じく夫自慢息子自慢のリエラ国王とは物凄く相性が悪いのかもしれない。っていうか、リエラ国王、母親の前でその息子を難癖しすぎだ。何でこんなに喧嘩を売るんだ?リエラ国王は。

「義母上、公爵夫人に失礼ですよ。誰だって息子の悪口を言われたらいい気はしないでしょう? ギルフォードのことを彼らが散々悪口を言ったらどう思いますか? いくら義母上は国王だからって、この国では違いますよ。一番高貴なのは王妃になるエルウィンで、その次が公爵夫人で、その次は公妃のクライスです。この三人が最も高貴な身分で、俺が敬うべき方々なのです。ギルフォードの立場を思うのなら、失礼な事はしないで下さい」

まあ、俺たち三人はこれでもこの国で妃という身分ではNo1〜3が勢ぞろいしているからな。
隣国のリエラ国王が何? 所詮うちの国の半分もない国だろ? 魔法騎士たちがどれだけいるの? うちの10分の1以下なの? って嘲笑されても文句言えないだろう。

「リエラなんて、アンリ様に言って滅ぼしてもらう事なんか簡単なんだから!」

それは……簡単だろう。半壊させかけたデュアルという国はもうない。
何故か公爵家領に編入されているのだ。そのせいで、一応公爵家の領地は下手な国よりも大きかったりする。何でこんなに大きいんだろうと思ったこともあったが、気に入らない国に喧嘩吹っかけて編入しまくっていたのかもしれない。リエラも公爵家領の1つになる日も近いのかもしれない……ユーリ曰く、子どもが10人いても爵位を上げても問題ないと言っていたが。
貴族の家でも、次男以降はあげる領地がないとかよく聞くが、うちは問題ないどころじゃないだろう。国一個分だったら100人に分けても爵位余ってしまうだろう。実際、公爵家に100以上の爵位があるらしいし。

けど、息子の悪口言われたくらいで、リエラを滅ぼそうなんて、ユアリス様も大人気なさすぎますよ。
義母上にとっては自慢の息子でしょうが、俺やエルウィンにとっては、しょうもない夫たちなのは事実なんですし、そもそも悪口くらいで滅ぼすのはいきすぎのはずだ。

「まあまあ…ユアリス様。この方は国王なんですが世間知らずなところもあって。許してあげてください。義母上も、公爵夫人に謝罪をして下さい」

「だって……ズルイんだもん! 僕と同じ王子なのに、その人だけ好きな人と結婚できて! この国にいるときから聞いていたよ。王子のくせに恋愛結婚で、らぶらぶ生活しているって、評判の夫婦だって! 僕なんか22年かかってようやく結婚できたのに!」

うん、まあ……羨ましかったのか。だけど国のシステム上仕方がないだろう。うちの国は貴族同士身分の釣り合いが取れれば恋愛結婚推奨だし。
うちのしょうもない父親とかがいると身分つりあっていても結婚できない場合もあるけどな。マリウス兄さんとかロベルトみたいに。
ユアリス様と公爵は、これ以上内ほど身分も釣り合っていて本来だったら反対のしようもない夫婦なんだ。

「その通りです、義母上。当時はとても羨ましかったんでしょうが、今は義母上はちゃんとウィルと結婚できていますし、こんなに可愛い息子にもまた恵まれたじゃないですか。ウィルも喜んでいたでしょう、義母上に似て可愛い赤ちゃんにまた会えたって」

「うん、そうだよね。ウィル、僕似の赤ちゃんがまた欲しいって言っていたもん。ちゃんとその通りに産んで上げれたもん」

あ、ユアリス様が震えている。そうだよな……公爵はずっとユアリス様に似た子が欲しいって言っていたらしい。でも、隊長もユーリもあの通りだし。
俺の子もユアリス様には似ておらず、孫を歓迎してくれた公爵も、またユアリスには似ていないかと微妙にがっかりしていたくらいだ。
だから4人目の孫にして、サラがユアリス様に似て生まれてきたときは、とても義父上は喜んでいらした。

「ぼ、僕だって、アンリ様が僕に似た子が欲しいって言ったから、三人目も欲しかったのに! でも、アンリ様が危険だからやめようって言って……僕も今からでも三人目産みたい」

いえ、ユアリス様は魔力のせいで今もお若くとても美しいですが、流石に50代ですから止めましょうよ!

「え? 危険ってどういうことですか?」

「うん、知っているでしょ? アンリ様のように公爵家の当主は魔力が強すぎて……そんな子を産むのは」

何度も魔力の強い子を産むと、母体に危険があるということか? そんなことはユーリから聞いていないぞ。だいたいユーリはたくさんの子が欲しいと言っていて、すでに三人目を着々と計画しているというのに。
あいつは俺の命を危険にさらしてまで、洗脳したいっていうのか?

「二人目までが限界なんだって……正常に産むのは」

「え? ……でも、隊長もユーリ隊長も三人目が欲しいって言っていますけど」

そうだ、隊長もエルウィン似が欲しいと散々言っていたし。でも、確かに系図を見ると、最近の先祖は二人兄弟が多い。もう少し代が上がって、いわゆる略奪花嫁が主流だった頃は、兄弟の数が多い。これは……略奪してくる花嫁の命なんかどうでも良いからたくさん産ませたということなのか?

「聞いていなかったんだ。ちゃんと危険性を知らせてあげないといけないのに、そういうところは駄目な息子たちだな……あのね、アンリ様もそうだけど、あの子たちも魔力が高いでしょう? 普段、あの子たちの高い魔力に直接触れるときって、夜の時でしょう?……でも、24時間いつもっていう訳じゃないから、問題ないんだけどね。けど妊娠中は10ヶ月高い魔力を持った子をお腹にいれておくから。あんまり何度も妊娠すると、身体が高い魔力に侵食されちゃって……」

死ぬのか? 

「凄く、夫の高い魔力を欲しがる……淫乱な身体になっちゃうんだって」

「「……はい?」」

「勿論、個人差があるけど、二人目が限度だろうって統計があるらしくって。僕は元々アンリ様を前にすると物凄く淫らになっちゃうから、関係ないから3人目作りたいって言ったんだけど、アンリ様は軍人だから、長い間国を空けることもあって、僕の身体に寂しい思いはさせたくないって言われて」

………あんの、ユーリ!!!!!!




さらにクライスさまおこ
ママ対決は一勝一敗?



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