いよいよ初夜だと私は柄にもなく、胸がドキドキしてきた。こうして結ばれればエルウィンも流石に私と結婚する気になるだろう。いや、慎ましやかなエルウィンだ。処女を失っては私以外と結婚できるはずは無い。
隊長のお嫁さんにして下さいと言って来るだろう。

「エルウィン……この水を飲みなさい」

「やっ」

エルウィンは酒に入れた睡眠薬が良く効いているのかよく眠っているが、この睡眠薬は寝入りにはよく効くが、それほど持続性はないものだ。しかし声をかけても、なかなか起きる気配はない。
水を飲ませたい。口移しで飲ませてもいい。しかし私とエルウィンのファーストキスを口移しで済ませるのは余りにも味気がない。
その前に……エルウィンの可憐な唇にそっと自分のを重ねた。当然エルウィンは私が初めてだろう。私は何時までもその柔らかくて甘い唇を味わっていたかったが、大事な初夜が待っている。
水と薬を口移しに与えた。

薬の効果が出てくるまでと思ってジッと眠っているエルウィンを見ていた。色素の薄い金色の髪に、今は閉じている瞳はアイスブルーだ。男らしく整った顔は、異性愛者として女に魅力的にうつるかもしれない。しかし、やはりエルウィンに女は似合わない。いや男も似合わないだろう。私以外には誰も。

「んっ……な、なに?」

「どうしたエルウィン?……」

「な、なんか、身体が……あついっ」

閉じていたアイスブルーの目を潤ませ、あつい、あついとうわ言のように繰り返した。子どものように身体を丸めて、何かから身を守るようにしていた。

「熱いだけか?……」

「分かんないっ…おかしい、どうしたら、良いの?」

口調までどこか子どもっぽくなって、私にどうしたら良いのか?と上目で見上げてくる様子に、今にも鼻血がでそうで仕方がなかった。

「ここが苦しいんだろう?……」

公爵家に伝わる秘薬の効き具合はたいしたものだ。実家に戻って取りに行った甲斐があった。初めてではなかなか感じられないかもしれないと思い、エルウィンのために用意をしてきたのだ。
エルウィンの慎ましやかに膨らんだ下肢をそっとなぞると、明らかに快感の声を漏らした。そのまま離すと、どうしてと悲しい声ですすり泣いてくる。自分ではどうして良いのか分からないのだろう。私は知っている。エルウィンは自慰すらしたことがないと。

「どうしてとは?」

「苦しいっから、なんとかして欲しいっ」

「気持ちよくして欲しいのか?エルウィンのも触って舐めて、射精させて欲しいのか?」

こうしてと、もう一度下肢に触れて、柔らかく握った。エルウィンは頬を染めて頷いた。

「しかし……結婚前にそんな淫らな事をするわけにはいかないな。しかも私は何度もエルウィンにプロポーズを断られている身だ。エルウィンに触れるわけにはいかないだろう」

「や、やだっ……俺このままじゃ…っ、死んじゃう……お願いだから、出させてっ」

「なら、私を愛していると言いなさい」

「あ、愛してます、隊長」

私は出させて欲しいと懇願するエルウィンを裸に剥いてやり、全裸にした。想像通りの均整の取れた美しい身体をしている。いや……想像とは違う箇所があった。今にも泣き出しそうなエルウィンの優美な物の周りには、あるはずのものがなかった。

パイパン……今度こそ鼻血が出るのを抑えることは出来なかった。どこもかしこもエルウィンは可愛らしくできているが、こんなところまで…なんて罪作りな男だ。
はっ!そうか……私を受け入れようとしなかったのはこれが原因か。恥ずかしがらなくても良かったのに。可愛すぎるだけで、いや、より一層魅力が増すと言うのに。



*犯罪者(変態)にしか見えない隊長・・・・



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