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  三日逃亡 2


って、その日は平和に終わったつもりだったが、数日後に孝也のご両親が俺に会いに来た。
初めて会ったときのような高圧的な態度ではなくて、なんと土下座までされてしまった。

いわく、息子と別れてくださいと。

家を潰すとまで言われたんですけどね。それもまあ、たぶん俺を調べたら、簡単に手を出せる家じゃなかったことに気がついたんだろう。俺の家は無茶苦茶お金持ちってわけじゃないんだけど、資産家と言って差し支えはないし、親戚を辿れば大臣や政界の重鎮もたくさんいるしねえ。


「俺は別に息子さんと別れても構わないんですけど…あっちが別れてくれるならですけどね」

俺から付き合ってとか言ったわけじゃないしね〜向こうが俺のことレイプしてスマフォで脅していたんですよ。孝也はそんな過去があったことなんか忘れているかもしれないけどね。

反抗するとえらい目にあうから、最近大人しくしているから。

「息子のことは、心配しないでくれ!責任を持って、更正させるから!……だからこの通りです、もう息子には二度と会わないでください」

「孝也さんが俺に関わる気がないんだったら、俺からは絶対に連絡を取ったりしません」

何このシリアスな展開。こういうの苦手なんだよね〜あっちが近寄ってこないんだったら、俺からはネコをしにわざわざ会いにいかないし。っていうか、孝也の両親とも関わりたくなかったのに。

そういうと、孝也の両親は何度も何度も頭を下げて帰っていった。

だけど、本当に孝也どうすんの?あの人そう簡単に諦めさせることなんか無理じゃない?


とか思ったんですが、俺のマンションから孝也が連れ出される姿が帰りに、目撃しちゃいました。孝也、俺のマンションにほぼ居座っているか、俺があっちに連れられているかのどっちかだから。

なんか薬とか、スタンガン?とか麻酔とか嗅がされたのかな?かつがれて大人しく連行?されていく孝也を目の前で見送っちゃったよ。

でも声は出るのか「すぐに、戻ってくるから、待っていろ」とか弱々しく言っていたんですが。

ご両親は「家に監禁して更正するまで絶対に出しません」とまで言っていたな。

できれば念のため海外にでも留学しませんか?と小切手までくれてしまった。別にお金には不自由していないけど、今までの慰謝料ってことで、納めてほしいと言われたら、まあ受け取るしかないかな?

よし、これで子猫ちゃんと南の国にでも出かけて厄落としをし〜よおっと。

沖縄はケチがついちゃったから、グアムにでもし〜よおっと。

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