三日逃亡 1
沖縄で最後の浮気騒動が終わって、はや3年がたった。
浮気を見張っていなかった会長が悪いという言葉通りに、会長はいや、もう会長じゃないから孝也は俺のことをちゃんと浮気しないように見張ってくれていました。
お陰で、浮気はずっとできていません。3年間ネコちゃんしかできていません。
割と最近まで、もう一生ネコなんだって諦めていたんだけど、孝也が20歳になったときに、転機が訪れたました。
あ、実は俺のほうが孝也よりも年上なんです。9ヶ月ほどね。
孝也は両親に俺との仲を頼んでもいないのに認めてもらうって、お仕事頑張っていたんだけどね。20歳になるまで実家の跡継ぎとして相応しいだけの働きができたら、認めるって孝也の両親も言っていたらしいんだけどね。
実際に20歳になったら……
「お願いだから、息子と別れてください!」
「一人息子の伴侶が男だなんて認められるはずがないだろ!」
と孝也の両親に言われました。まあ、当然のことかと思うね〜。普通息子がゲイだったらこの態度になるだろう。息子が恋人連れてきて、一緒になりますって、その相手が俺じゃあねえ?
「良いか!息子と別れないんだったら、君の家がどうなってもいいのか?!」
あ〜あ……なんか、よくドラマであるシーンだよね。
「孝也……」
もうどうにかしてって目で見た。だってだって、俺がど〜しても好きで孝也と付き合っているわけじゃないし、この家に連れてきたのも孝也が原因だろ?
俺が、孝也と付き合いたいって頭下げているんじゃないし。
「いい加減にしてくれ!俺がゲイだってことはとっくにカミングアウトしていたはずだろ?その上で、きちんと会社の仕事をこなせば、認めるって話のはずだっただろ?それが今になって、別れろだって?だったら、俺がこの家に見切りをつけて出て行く」
いえいえ…そんないきなり縁切りみたいなのはちょっと……ご両親可哀想だろ?
「啓志、帰るぞ。こんな家にもう用はない」
「え?本当に良いの?だって今まで、頑張ってきたこととか」
孝也、お仕事頑張ってやっていたのに。もうちょい頑張るとかもなく行き成り家出?
「別に構わない。どうしても両親に認めて欲しいとかじゃなくて、俺なりのケジメだっただけだからな。今まで育ててくれた感謝の意もこめて、俺はきちんとお前しか愛せないのも、女と結婚するつもりがないのも言っておいた。妙な期待も持たせない様にだ……その上で、家の事をきちんとするなら認めるといっていたくせに、約束を守らない両親には愛想が尽きた」
「でも……」
「お前のせいじゃない。俺の我がままだ」
いえ、たぶん、孝也は俺のせいで孝也が家を捨てたって気にしていると思ったみたいだけど。そんなんじゃなくって。とうとう、お家の枷までなくなって、俺ってどうなるんだろうって心配なんだけどな〜。
「心配するな。啓志を養うくらいの金ならある」
いえ、俺も親が仕送りしてくれているし、それなりの資産家だから、お金には不自由していないけど。
「啓志愛している。今日からは俺たちだけだ」
何ですか?その世界にもう俺たちしかいないみたいなのは。
とか、色々思ったりはしたし、家捨てて本当にいいんだろうかとか思ったけど、まあ、俺にはほとんど関係ないし、まあいっかとは思った。
その日の夜は、なんか燃えたね〜。孝也は親の枷がなくなったからか、よく分からんが興奮してはじめて犯された時みたいに、無茶苦茶レイプっぽく抱いてきたし。俺は俺で、もうとっくに後ろでいけるようになっていたから、乱暴に抱かれることにまた燃えちゃって。
ん?オレって変な癖つけられちゃったかな?あの監禁された沖縄旅行で。
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