小説 | ナノ

  7


「嫌いじゃないんだったら、憎んでいないんだったら……俺の事を愛してくれよ!なあ、好きになってくれよ!」


う〜〜ん。憎まれていなかったから嬉しかったのか?だから泣いていた?

でもさあ、憎んでいない=愛するっていうのはちょっと違わない?そんな短絡的な問題ではないでしょう。


「だからさあ……それは天寿全うできたら考えてやるって言ってあるだろ?」


ここまでストレートに好きになってくれって頼まれた事ないからなあ。今まではお前は俺のことが好きじゃない、死ぬ。とかだったから。

俺はちゃんと来世で考えてやるって言ったんだけど、欲が出てきたのか?


「俺は、俺は!ずっと何百年もお前が俺の事を好きになってくれるのを無理だって分かっていて……望み続けてきた。こんなに愛しているのに、来世まで待たないと駄目なのか?会える確証もないのに?」

「今までずっと再会してきただろ?お前どの人生の俺も殺してきたのに、来世で会えないってことはないと思うけどな〜…」

「この人生で始めてお前を殺さなかったら、次は出会えないかもしれない!」


まあ、それはそういう可能性もあるかも……?殺さなかったことでこの不毛な生まれ変わりと再会がなくなる可能性もあるかもしれない。


「お前に出会えないくらいだったら、毎回殺すほうがマシだ!」


ええ〜〜そこでまた前に戻っちゃうの?俺の説得意味なかった?


「あのさ、毎回会って30分で殺すんだったら、再会する意味ないでしょ?毎回30分だよ?何回生まれ変わっても、全部あわせても数時間とかって、会えた意味あるの?……今はこうやって俺とセックスできるのに?」


無理矢理ヤツを押しのけて、座らせて今度は俺が跨ぐ。自分やらヤツの起立を受け入れていく。全部入れて向かい合って、キスしてやる。


「こうやって、キスしたりセックスしたりとか、できないだろ?お前と過ごしたこの期間って、何千回生まれ変わった以上の日数だぜ?会えないとかって心配心配するより、今を楽しんだほうがいいだろ?」

と、俺は思うんだけどねえ。ニートでも結構テレビ見たりダラダラ過ごしたり、楽しいこともあるから死にたくないんだけど。

「来世では絶対に俺を好きになるか?」

「考えるっていったけど……まあ、好きになるって約束するから」

とは言ったものの、男とセックスはできるが、恋愛感情で好きになれるのはどうなのかなあ?

そんな俺の思考を読み取ったのか、また心中する時の目つきで俺を見ている。

「取り合えず、気持ちいいエッチしようか?」

とりあえず、快楽に持ち込めば、今は何とかなるでしょ。



だけど、ヤツが今世で心中しないかは、いまだ不明。

こればっかりは生まれ変わってみないと分からないんだろう、やっぱり。


END

prev / next

[ back to top ]




×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -