小説 | ナノ

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で、寝ていたんだけど。なんだか首締められている気がする。


「おい……」

ヤツだよヤツだよ。鬼のような顔をして首を絞めている……が、片腕ギブスだから外すの簡単なんだけどな。片腕のヤツVS俺なら、間違いなく勝てる。


「よくも外に出てあんなやつらと会ったな!」

あれ?もうばれてるの?……なんか、こんな展開予想はついたけど、目が覚めて一番にやる事は俺の首を絞めることか?

「……仕方がない。お前が気を失っているから、食料が尽きた。あんなマリモに無様にやられたお前が悪い」

うん、正論だよね?


「出たら殺すって言ってあっただろ?」

「あったけど、その前に餓死する可能性もあったからな。お前俺が餓死しても良かったのか?」

「あいつらにお前を見られるくらいだったら餓死のほうがマシだ!」


おいおいおいおい。そんな比べるようなもんでもないだろ?


「餓死しても良いのか?」

「俺もすぐ死ぬ!」


相変わらず短絡的な思考だな。それが一番前の前世が考えて考え抜いた選択だからか、こいつはすぐ死ぬというネガティブ要素で満載だ。

正直、ヤツが俺を好きだと知ってから、そのことについて考えれた期間ってこの人生が最長なんだ。他の人生ほぼ思い出した瞬間に死んでいるから考える暇もなかったしな。


「お前さあ……毎回心中するのが、お前の望みなのか?」


毎回心中しかしないでなんかいい事でもあるのか?無茶苦茶非生産的だよな……


「もうちょっとなあ、俺に好かれようとか、なんかそういうのないの?首絞めてばっかじゃ、お前の事愛せるわけないよ?」


今回は首絞められても殺される可能性は低いから俺は結構余裕だけどな。

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