小説 | ナノ

  3


しかも俺はヤツとしかセックスしたことないしな。

一番初めの頃は結婚前夜に殺されたから、女の子と実はセックスしたことない。

過去の俺も何故か恋人が出来そうになる寸前や、もっと幼い頃にヤツに会って強姦、心中ってパターンでしたからね。

何十回って生きていてヤツとしかセックスしたことがないっていうのも可哀想な事実なんだけど。


「う〜ん……君さあ、マリモ君、本当に俺の恋人になりたいの?」

「マリモじゃない万里っていう名前があるんだ!それにお前みたいな美形は俺と付き合わないと駄目なんだ!」


理屈がよく分からないな……。


「それって俺に抱かれたいの?」


俺って自分で言うのも何なんだけど、男らしいイケメンだし、マリモが俺を抱こうとか思っていないだろう。


「万里を抱こうなんて許しません!」

「万里は俺のもの!」

「お前だったら良いぞ!」

「でもさ、俺男を抱いた事ないんだけどね……抱かれるほう専門だから、残念だけどマリモ君とは付き合えないなあ。それに俺の彼氏怖い人だから、マリモ君が俺に迫ったって知ったら、殺されちゃうかもよ?」


まあ、少なくても俺は殺されるな。

他人と目が会っただけでも殺された前科がある俺だ。

汚らしいマリモに外界に出たせいで迫られたなんて知ったら、間違いなく心中だろう。

静かにご飯を食べて部屋に戻る予定だったのに。

こんな目立ったら、はあ……


「なっ、お前見たいなカッコいいのがネコだなんて嘘だ!」

「いやあ、でも、ホントなんだ。ごめんね、俺のことは忘れたほうが身のためだと思うよ」


これは本当だ。ヤツは心中ばっかりしてきたから、俺に迫った男女に何かをするという経験はなかったが、普通に殺しかねないようなヤツだからな。


「ね、会長ってどこにいるの?」

「え?会長様ですか?寮内の病室で安静にされているのではないでしょうか?」

意識不明って言うから、あとどのくらいで戻ってくるんだ?ヤツがいないと、面倒だし。ご飯の調達も出来んぞ。

「じゃあ、奢ってくれてありがとね〜」

「いえ……その、たいしたこと有りません。でも、本当にネコなんですか?タチはしないんですか?」

「う〜〜ん。ネコしかしたことないね。残念だけど」


そもそも男が恋愛対象じゃないし。

マリモはまだ騒いでいたが俺は無視して部屋に戻った。

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