小説 | ナノ

  2


一番昔の記憶の俺……別に前世の記憶を全部持っているわけではない。感覚でいえば、DVDで一生をざっと見る、くらいの感覚なのだ。前世を全部覚えていたら、脳がたぶん耐え切れないだろうし。

ほんの数分で過去を見るんだから、全部を思い出している暇はないとも言うが。

まあ、とにかく一番初めの俺は、ヤツと幼馴染で隣に住んでいた。仲の良い、たぶん親友といってよかったんだと思う。

昔だったから、結婚がみんな早くて10代半ばは普通だった。で、俺も結婚しようとしただが、幼馴染のやつがそれを許さなかった。

俺のことが好きだって…

当時は同性愛者なんか迫害の対象でしかなかったから、俺もやつのこと気持ち悪いとか、結構ひどいこと言ってしまったんだ。

死ねとか俺の前から姿を消せとかって、ね。

そしたら本当に死んじゃったんだよね。

ただし、俺を道ずれにして。しかも、俺を強姦しながら殺して、その後自殺したみたい。死んだ後のことだから、勿論詳しく知るわけないけど。俺もすぐ死ぬからごめん、って言いながら、強姦……首絞めたし。泣くなら、殺すなよって、真剣に思ったさ。

俺の住んでいた村では相当スキャンダルになったことだろう。

ホモの心中なんて、親に申し訳なくて涙が出そうだった、前世の俺。

実際にはホモの心中じゃなくて、片方ホモによる無理心中なんだけど。

親にしてみれば、俺がホモじゃなかったのなんて、実際どれだけの救いになるだろうか。救いないよ。

で、次の人生でも、毎回ヤツに出会って、悲惨な前世を思い出して、強姦されて、心中がパターン化した。

一番年取った時でも、20歳くらい、酷いと13歳くらいで、俺無理心中させられるんだ。

なんか、無理心中以外の道はないの?強姦以外の方法はないの?って毎回、俺、ヤツに問いたい気持ちで一杯なんだけど、でも、毎回次の人生で再会した瞬間、レイプだから。

prev / next

[ back to top ]




×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -