小説 | ナノ

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「う、浮気はしてないよ。か、会長が俺のこと忘れちゃって寂しかったから、ちょっと慰めてもらってただけなの。本当!」

たぶん、素っ裸でそんな嘘言っても誰も信じないだろうけど。

勿論会長も信じない。

「そういやあ、あんなマリモ星人の恋人が俺だって?あんな酷い嘘と浮気の罰、両方受けないといけない啓志は、何日立ち上がれないか、楽しみだな」

「や、やっぱり……お、思い出したの?記憶」

ここに会長がいるってことは、そういうことなんだ。たった3日で思い出すなんて早すぎるよ!

よくBL主人公でさ、恋人に忘れられた受けは傷心のまま何ヶ月、下手したら数年過ごすって言うのに、俺の場合は早すぎるよ!せめて高校卒業するくらいもってほしかった。

「ああ、全部な。お前の俺との初めてのセックスとか、約束とか、余すことなく思い出したぜ」

初めてのセックスってあれですね。

俺はネコちゃんじゃないからって会長からの告白断ったのに、スマフォではめ撮りされた、あの夏の暑い日のことですね。俺も覚えてます。悲しくて忘れられそうもありません。

ちなみにさっき会長が何日立ち上がれないか楽しみって言ったのは、初めてのネコちゃんのせいで、数日グロッキーになって、会長のお部屋でお世話になった、会長いわく愛欲の日々のことを示唆していてのことです。

でもネコちゃんが嫌で、今日みたいにチワワちゃんと浮気?しそうになったことがばれて、約束させられました。

「浮気したら、お前のちょん切るって約束だったよな?」

確かにその場限りの言い訳に、そう約束したこともありました。事実に相違はないです。

「ごめんなさい!!ごめんなさい!!けど、マジ本当に、浮気してないんだよ!……突っ込んでないから、寸前で会長が来たから、未遂なんです」

「嘘付け、お前の嘘なんて顔を見ただけで分かるぞ!何人とやったんだ!言ってみろ!」


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