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副会長と書記が煩い。
「何であんなマリモ星人を会長の恋人とか嘘言うんですか!」
「そうだよ。会長の恋人は、橘じゃないか!!」
今にも病室に戻って、マリモ星人の嘘を暴こうとする2人。
「副会長も書記も……いま、会長記憶が混乱しているんだよ。マリモ星人のことを嘘だって言ったって、マリモ星人が納得しないだろうし、また色々騒ぎになるの眼見えているだろ?どっちが本当のこといってるか、会長には判断しようがないし」
「どうみたって橘のほうを信用するはずです」
「マリモと橘だったら会長の好みは明らかに橘なんだから、恋人なのは記憶がなくなったって会長には分かるよ!」
「ん〜〜……でも、やっぱり会長に変にプレッシャー与えたくないよ。忘れられちゃうくらいの存在でしかない俺が、記憶のない会長を煩わせたくないし」
「橘……」
当事者のことじゃないのに、まるで自分のことのように悲しむ2人。
「あんなに会長は、橘のことを愛していたんですからすぐに思い出しますよ」
「うん、だから会長には俺たちのこと話さないでね」
いくぶん、納得していない2人だったが、俺が会長のためなんだって涙を流すとやっと賛成してくれた。
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