小説 | ナノ

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マリモ星の異星人がこの学園にやってきて、一ヶ月。
別に生徒会は混乱しなかった。誰も、マリモ星人に興味を示さなかったからだ。

1人で器物破損をして、退学寸前のある日。

生徒会長が倒れたのだ。マリモ星人に興味を示さなかった腹いせに、階段から突き落とされ、病院に運ばれた。


「お前誰だ?」

「何言っているんですか?会長、彼はっ」

「俺は、生徒会会計の橘啓志だよ〜。会長、俺のこと忘れちゃったんだ〜」

会長はお決まりの記憶喪失になっていた。それも、この一年間の記憶が無いそうで。

俺、高校からの編入だから、会長は俺のことを覚えていないということになる。

副会長や書記のことは小等部から一緒だったので、問題なく覚えているらしい。


「オレ!蘭っていうんだ!孝也は俺のことも忘れちゃったのか!?オレたち恋人同士だったのに!!」

会長を突き落とした張本人、マリモ星人は謝罪するために会長の病室に連れて来させられたのだったが、会長の記憶がないことを良いことに、超適当なことを言っている。

「お前が?……恋人?」

「そうだ!!」

物凄く怪しいものを見るかのような眼で会長はマリモ星人を見ていた。まあ、疑問に思うのは当然だろう。だって外見マリモだし、どう見ても会長の好みのタイプじゃないし。

「本当なのか?」

何故だか俺のほうを見る会長。

「本当だよ〜会長の恋人はそこにいる彼に間違いないよ」

はあ?という眼で見る副会長と書記。マリモ星人はそこにいるのに、まるでオレのほうが異星人かというような眼で見てくるのだ。

「じゃあ、恋人同士の邪魔をしているのも悪いから〜会長無理に記憶戻そうとかしないようにね。こういうのってストレス厳禁だっていうから、恋人に癒してもらってね。生徒会のことは任せておいてよね!」

笑って手をヒラヒラさせて病室を出る。

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