管理人サイト総合まとめ

site data


2018/08/03 

コナン・ドイルという人は名探偵ホームズの産みの親である。探偵小説の元祖と思われているが、これはエドガー・アラン・ポーの探偵デュパンを元に、恩師のジョセフ・ベル教授をモデルとして書かれた探偵小説であった。開業したばかりの眼医者が儲からなかったので庶民のための面白小説を書いたのである。これがのちに歴史小説を書きたかったドイルをかなり苦しめる。日本作家の江戸川乱歩はシャーロッキアンの一人としてよく知られている。その名前はポーの日本読み。佐々木丸美も一部の作品タイトルで言葉遊びをしている。ポーは非常によくできた元祖ミステリー、ホラー作家の一人である。

怪盗ルパンは実は元祖怪盗とはいえない。「ルパン三世はルパンのパクりじゃねぇか」と言う人がたまにいるのだが、ルパン三世はキャラクターとしては二次創作の域を越えたオマージュである。怪盗ルパンの作者はモーリス・ルブラン。ホーナングというイギリス人の義賊ものがあるのだが、イギリスとフランスは英仏海峡で繋がっている、本州と九州みたいなもの。ルパン自身が海を越えたそれを早々にパクったのではないかという説が濃厚だ。怪盗だし。実際ルブランの小説はパクりのオンパレード。パクラーとしての才能がとにかく抜きん出ている。当時は名前を変えただけのモドキ小説がたくさんあった。あれがパクリなら日本の落語や歌舞伎は絶えていたはずである。先代継承の文化のほとんどは言い換えればパクラーである。同じパクラーでも品位のあるパクラーになりたいものである。

E.W.ホーナングは後にドイルの妹と結婚。義賊ラッフルズは実質四冊ほどしか出ていない。これはホーナング自身の悲しい末路もあり、日本ではあまり評価されていない。ホームズやルパンが長すぎて好かない層に一読をおすすめする。キャラクター小説としての義賊ラッフルズは三作の中で一番安定しているからである。推理小説が流行らなくなった今、もう少し評価を上げてもいいと思う。

ルブラン自身はイギリス人のドイルとほぼ同時代を生きたフランス人で、彼の書いた『ルパン対ホームズ』はルブランが勝手に書いたホームズの二次創作である。これに腹をたてたドイルが抗議。日本では普通にホームズと訳されるが、原文はアナグラムと呼ばれるSの字を後ろに移したものとなり、エルロック・ショルメ(ス)を産み出した。後にルブランは、晴れて自分のキャラクターとしたショルメにルパンの嫁を誤って殺させる。もちろんわざとである。コナン・ドイルはホームズと同じ6フィート弱。180センチに100キロ前後。勉強だけしていた医者と違い、イギリス発祥のボクシングやクリケットをたしなむボディービルダー選手権の審査員だったほどの巨漢である。殺されなくてよかったな。

国内訳ではぼかされてきたが、シャーロッキアンにルパン嫌いが多いのはこのためである。私はどちらも意味不明のまずいネタにしてしまった。若かったので二次小説の書き方もわからず加減を知らなかったのである。フランス読みだとSは発音しないと聞いたが、本当だろうか。私は二十歳のころ多国言語の集会に顔を出していたのだが、一か国語もマスターしてない。多国の人々の文化や情感を知りたかったので、目的は果たしているが。フランス語だけは我慢ならなかった。眠たくなるのである。ちなみに英語圏では発音しづらいからという謎の理屈でつけられたアダ名はベスだった。私自身が生来ひどい泣き虫だったほど根が気弱なので、エリザベス女王の貫禄が欲しかったのである。

ドイルはよく知られる通り、晩年を『歩く巨体の不思議チャン』として過ごした。葬式に訪れた二万人が彼を目視できるのではないかと目を凝らしたようだが、それは無理な話であった。幽霊は幽霊として特殊なレンズを持ってる者は数が少ないのである。ちなみにこのレンズは目の悪い人のほうが感度がよろしいという矛盾があるため、年を取ると信じるようになるケースが多い。スマホのおかげで案外よく見える人が増えるかもしれぬ。

サイトを通して「くわず嫌いしていたコナン・ドイルの心霊本読みました」という人もたまにいて嬉しい。私の二十代の役割はそれだったからだ。別に何かの啓示を受けたわけではない。私自身が決めたことである。新旧カウンターがあわせて十万の大台をよくやく越した。カウンターが追いつくまでにあと五年はかかりそうだが、感謝の気持ちを述べたい思う。ちなみにここの日記は一年でようやく千のローペース辺境警備である。

ドイルは懐疑的な学者の姿勢を崩すことなく、科学や宗教だけでは説明のつかない出来事の文献資料を大量に遺した。その大半はパフォーマンスであることも見抜いて、政治の世界や自身の嫌っていた同性愛者の弁護を引き受けた。私はとても尊敬している。彼の創作や彼の心霊学に惹かれるというより、その生き方は万人の共感を得ることはできずとも、深い優しさと情愛を感じるからである。自身の名声を捨ててでも愛する人々との繋がりを信じた、一人の漢としての矜持であり、任侠であるからだ。



※「7000円のホームズ辞典より便利だし読み物として面白い」と身にあまるお褒めの言葉を頂いたのでホームズ注釈。昔から適当なことばかり書いている。イギリス料理に関しては日本作家がそう言ったのでそのまま記す。イギリス自体は実はあまりすきではない。薄暗いんだもん。

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -