イカー街221b
解説

人物1|人物2|小道具|用語|場所|


創作中に使った用語説明等、ホームズビギナーさん向けに上から下から適当に増えます。原作ネタバレ注意。暇があれば整理。

管理人はホームズパロディを含めたあやふやな頭でほとんどが記憶を頼りに書いているため、創作等の参照にする場合は調べなおしてくださいね。保証できません。


ホームズ人物


≪主要人物≫


◆シャーロック・ホームズ

探偵。身長六フィート弱。コカイン七%常用。探偵ものをやめたかったドイルによって滝壺で教授と心中。滝後はほとんど別人のように大人しくなる。趣味はコスプレ。ボクシングは左ストレートが得意技。料理も得意(本人談)。映像化の際はつらつら考えてるシーンがあるが原作では静かな瞑想が趣味。独身だが調査の際にメイドと婚約して勝手に破棄(おそらく)。唯一負けた女であるアドラーの写真を欲しがった。フランス人の有名画家の妹を祖母に持つ。暗闇でも目が見える。元は規則正しい生活習慣だったが基本が夜行性。


◆ジョン・H・ワトスン(ワトソン)

医者。初登場時は痩せほそっていたが結婚後は少し肥った。アフガニスタン帰りの軍医。開業医。開業資金をこっそり探偵が出していた。足が悪いのか肩が悪いのか途中で記述が変わる。夫人に名前を「ジェームズ」と呼び間違えられる。二、三度結婚してないとつじつまが合わない。冗談は言わない(ドイル本人の証言)。存在を知っていたはずのモリアーティを忘れる。これをワトスンの健忘症という。


◆ハドスン夫人

ベイカー街221Bの女家主。なぜか名前がターナー夫人になっている回がある。おそらく未亡人。


◆マイクロフト・ホームズ

シャーロックの兄。七歳上。探偵以上の能力を持ちながらディオゲネスクラブ→ホワイトホールの役所→ペルメル街の下宿の三つしか移動しない。ベイカー街の自宅に来たときは弟に「この分だと惑星が軌道を外れる」と言われた。複数の行政省勤め会計監査官。高身長高体重。


≪警察≫


◆G・レストレード

警部。イタチのようなネズミのような顔。原作でホームズにあらゆる手助けをしたにも関わらず、探偵は彼をこき下ろした。ホームズパロで主役になると探偵が無能になる。小さいがワトスンより足が速い(本職故かワトスンの足が悪いかは定かでない)。


◆トバイアス・グレグスン

警部。レストレードのライバル。年下のようだが先に出世(レストレードの出世の記述が特にないことから)。ワトスンよりホームズとの付き合いが長い。


◆スタンリー・ホプキンズ(ホプキンス)

警部。若い。ホームズを尊敬。目をかけてもらっている。優秀。


◆ブラッドストリート

警部。管轄外すぎる場所まで頻繁に出張。聖典挿し絵で扉に向かってかがんだ探偵の尻を見てるっぽい。


◆二人のジョーンズ

警部。アセルニー・ジョーンズともうひとり他にいる模様。


◆マクドナルド

記憶があやふやすぎて創作に出したことはない。


≪敵≫


◆ジェームズ・モリアーティ

ホームズ天敵の教授。犯罪界のナポレオン。ドイルの母親のアナグラム説あり。ホームズの家庭教師だった説あり。


◆セバスチャン・モラン

モリアーティの腹心の部下。射撃の名手だが見晴らしのよい崖上から探偵を逃がしてしまったり、蝋人形の頭を撃ち抜いたりと、腕はかなり怪しい。カード賭博が得意。


≪依頼人他≫


◆トレヴァー親子

『グロリア・スコット号』。ホームズが探偵を目指すきっかけになった事件。特に犯人もいなければ、事件らしい事件も起こらず、暗号化した遺書を遺して父親は悶死。息子のヴィクターはホームズの大学時代の唯一の友人だったが、書かれていた内容に絶句してインドまで行ってしまった。


≪女性≫


◆アイリーン・アドラー

歌手。元ワルシャワ帝国プリマドンナ。アメリカ人。「あの人。あの女性」で知られるホームズが唯一記憶に残している女性。色っぽい意味はないと冒頭で念を押される。弁護士のゴドフリー・ノートンと結婚。変装中のホームズが立ち会い人。翻訳では名前がころころ変わる。


◆メアリー・モースタン

「四つの署名」の依頼人。家庭教師。遺産は手に入らなかったが夫であるワトスンを得た。探偵の滝後は亡くなったとおぼしき記述があるが定かでない。


◆ヴァイオレット・ハンター

家庭教師をするか否かで悩みホームズの元を訪れた女性。髪を切った。ワトスンは彼女と探偵が恋愛に発展するのではと期待をしていた模様。しかし事件が終わるとホームズは彼女に対して興味を失った。


◆アガサ

調査対象者宅のメイド。変装したホームズと婚約した。その後の消息はわかっていない。


◆ベイカー街のメイド

時々いる模様。ホームズに奴隷ちゃん呼ばわりされる。


◆ワトスン医院のメイド

ドジでマヌケな女中。


≪少年≫


◆ウィギンズ

浮浪児。ホームズが調査のための使い走りにしていたベイカー・ストリート・イレギュラーズのひとり。


◆シンプスン

ウィギンズ以外で名前の出てきた唯一のベイカー・ストリート・イレギュラーズ。


◆給仕の少年

ベイカー街の下宿にたまに出てくるが一人か複数か定かでない。名前はビリー。ビリーも二人いるようだ。


◆カートライト

バスカヴィル家の犬で探偵が使っていた少年。


◆スイス人の少年

滝前でワトスンを呼び戻した少年。


≪動物≫


◆ブルドックの子犬

ワトスンが下宿に同居させるような旨を探偵に伝えたがその後は音沙汰なし。探偵は犬好きっぽいしハドスン夫人に断られたとも考えにくいため謎。


◆トビー

ホームズが調査のために借りてきた犬。


◆ハドスン夫人に頼まれた犬

死にかけの犬を頼まれた探偵が、事件の鍵となる実験で殺す。ハドスン夫人の犬ではない。


それ以外の人物


≪実在人物及び関連人物≫


◆アーサー・コナン・ドイル

開業医。ホームズの原作者。ボクシング得意。カメラ好き。シャーロキアンからは出版代理人として扱われる場合も。心霊主義者として活躍。コティングリーの妖精写真を後押しした著名人としても有名。ホームズ以外でもとんでもない数の執筆をこなしている。父親がアルコール中毒者で家計を支えた。前妻を結核で亡くし再婚。ボーア戦争を擁護。


◆ジョセフ(ジョーゼフ)・ベル

ホームズのモデル。外科医。ドイルが通っていた医学部の恩師。学生からカリスマ的な人気を誇っていた。ジフテリアの子供を救おうとしたため声と足を悪くした等の美談をネット上で見た以降、ほとんど情報が上がってこないため欠点部分を補完できない。関連書籍もいくつかあるが未翻訳の模様。尿を舐めたふりをして学生に回させ糖尿病を探させたという都市伝説があるが(ドイル自伝による)元祖ではない。


◆カリングワース(ジョージ・バッド)

ドイルの自伝的小説『スターク・マンロー(からの手紙)書簡』や自伝、コナン・ドイルの事件簿などに出てくるが、基本的にすべて同じ人物のことを表している。因縁の深い友人にして同僚。ドイル自身で開業するまでは彼の元で働いていた。元同級生。


◆ウィリアム・ラザフォード

チャレンジャー教授のモデルになった医科大学教授。


◆G・E・チャレンジャー

教授。ドイル「失われた世界」他。グールド設定ではホームズ父の兄弟の息子。ホームズ父と容姿酷似。ドイルがコスプレをして写真を撮ったこともあり。愛妻あり。長い髭が特徴。


◆E・ジェラール

准将。ドイル「ジェラール准将」シリーズ。フランス首相と同じ名前。


◆アルセーヌ・ルパン

リュパン。本名ラウール・ダンドレジー。フランスの怪盗。ルブランが勝手にホームズとの闘いを書いたため、ドイルが抗議。ホームズをエルロック・ショルメ(ス)に改名。この探偵が後にルパンの妻をあやまって撃ってしまう。翻訳ではあらゆる手を尽くしホームズの印象を悪くしないような策が練られている。実際ルパンは意訳ものが多く、翻訳によっては意味が変わってしまうものも少なくない。


◆モーリス・ルブラン

ルパンの作者。作中に出てくる。


◆A・J・ラッフルズ

泥棒。義賊。元祖・怪盗紳士。フランス人。ルパンのモデルになったという説あり。ドイルの著作にも影響を与えた。元クリケット選手。ある出来事のショックで白髪になり、20歳は老けて見え50歳くらいの容姿になる。

◆バニー(マンダース)

ラッフルズの相棒で一学年後輩。かなり不憫。公式で女装する。


◆E・W・ホーナング

ラッフルズ作者。ドイルの妹と結婚。


◆エドガー・アラン・ポー

探偵デュパンの作者。ドイルの愛読書。壁に埋められた妻と黒猫や大鴉の詩が有名。レイノルズという言葉を遺して謎の多い死を遂げた。江戸川乱歩は彼からペンネームをとった。


◆C・オーギュスト・デュパン

フランス貴族。ホームズ作品の元になったおそらく最古の探偵もの。ホームズは作中でデュパンと比べられるがいい顔をしない。


◆江戸川乱歩

推理作家。日本シャーロック・ホームズ協会創設者のひとり。


◆オスカー・ワイルド

作家。ゲイで投獄。ドイルの心霊本にも登場(霊界からの通信文)。映画オスカー・ワイルドを演じたのがスティーブン・フライ(2012版ホームズのマイクロフト役)、その際愛人役がジュード・ロウ(同ワトスン役)だった。


◆ジキル博士

お薬飲むとハイドに変わっちゃうひと。映画『ジキル博士はミス・ハイド』では叔父の遺した処方箋で主人公が女性に変わる。


◆スティーヴンスン

『宝島』の作家。亡くなったときドイルはかなりの衝撃を受けたよう。遺作の残りを書いてくれと頼まれたがそれは断った。


◆ジュール・ヴェルヌ

SF作家。ドイルの愛読書。


◆チャールズ・ド(ッ)ジスン

教授。『不思議の国のアリス』作者。グールド設定ではホームズの恩師にして友人。ドイルとのパロディ等、文豪キャラクターとしても人気。


◆ジークムント(ジグムント)・フロイト

ホームズパロディには頻繁に出てくる実在人物。オーストリア人。ユダヤ教徒の家に生まれた。パロ一部で探偵の薬中を治した。本人もコカインを薬として広めようとしていたため薬物依存と深い関わりがある。


◆切り裂きジャック

売春婦を連続で殺した。結局捕まっていない。ホームズとの対決パロ多数。挑発文を書いた。犯人は医師という見方が一般的。「ジャックは女装した男ではないか」という説を唱えたのはドイル。


◆パジ(ェ)ット兄弟

挿し絵画家。シドニーが弟のウォルター(ワルター)をモデルに描いたのがホームズの原型、といわれてきたが別の兄弟はこれを否定している。編集側はウォルターのほうに挿し絵を依頼したつもりだった。


◆ベアリング・グールド

シャーロキアンの代名詞。ホームズを年代順にまとめた。大量の注釈をつけたホームズ全集を刊行。

◆エリザベス・デイビ(ヴィ)ッド

イギリスの料理研究家。ズッキーニをイギリスに広めた。


≪特殊な人物≫


◆ホームズ家の兄弟

父ホームズが大地主なら誰かは家を継がなくてはならず、マイクロフトやシャーロックは男やもめで一生を送りそうなので三兄弟、という説がある。下に妹がいる説は「もし貴女が私の妹なら」云々とホームズがヴァイオレット・ハンターに言ったため。妹のパロディなどあり。


◆ワトスンの兄弟

兄がひとりいる。飲み過ぎで夭逝。


◆ワトスンの子供

結婚回数が多いようなのに一切記述に出てこない故に、ワトスンの子供嫌い説がある。


◆ホームズの子供

ラッフルズを祖父、ホームズを父に持つ人物パロあり。大概どのパターンでも探偵は自分の子供に振り回されている。


≪特殊な名前≫


◆シェリン(グ)フォード

コナン・ドイルが探偵を命名するのに迷った名前。他にも多数。


◆ウィリアム

グールド内でのホームズのファーストネーム。


◆ヘイミ(ッ)シュ

ジョン・H・ワトスンのHの説。アルファベットだけでも名前足りうるのでHだという説も。実際ドイルは平凡な名前を考えただけのためおそらくミドルネームはない。


◆ラッフルズ

ホーナングのラッフルズとドイル作品のラッフルズ・ホー。


◆シーゲルソン

滝後のホームズのペンネーム。


◆ナポレオン

ホームズが石膏ナポレオンを壊すと黒真珠発見。ワトスンとレストレードにほめられて少女のように頬を染める。


◆ジョン

呼び名。「ハイ、ジャック!」並みに使われる名前。


小道具


≪探偵の持ち物≫


◆ヴァイオリン(バイオリン)

探偵はストラディヴァリウス所蔵。夜中にかき鳴らす。


◆パイプ

原作の時代では曲がってない。役者が曲がったものを使用したのが定着(キャラバッシュ)。そのあたりも揶揄の対象。


◆煙草

紙巻きやパイプや葉巻や嗅ぎ煙草。探偵は三服する間に解決すると豪語。当時は女性の前での喫煙はマナー違反。


◆コカイン

ホームズ愛用の薬物。七パーセント溶液。当時は合法。パロディではワトスンにより五パーセントに薄められていたりもする。今日では青少年を守るという名目でコカイン接種はほとんど映像化できない。他モルヒネやアヘンも怪しい。


◆皮下注射器

上記を使用するため。


◆拡大鏡

誇張されているが普通に使う程度。ただし探偵道具としては最もよく登場。基本床に這いつくばったり壁にへばりついたり。


◆巻き尺

どこからともなく出してくる。おそらく常に携帯。


◆実験器具

科学実験ばかりしているが当時紳士の間で流行っていた娯楽のようなものと見る向きもあり。


◆炭酸製造器(ガソジーン)

ソーダ割りがお好き。


◆ペルシャ・スリッパ

先の曲がったスリッパ。煙草をつめている。


◆石炭入れ

葉巻が入ってる。


◆新聞

タイムズ。デイリー・ニューズ。他


◆スクラップ帳(人物録)

ホームズがせっせと創った。Mの項目が豊富。人物辞典に唯一学歴を書かれていたモラン大佐が、イートンからオックスに上がった秀才であるという記述から、探偵の学歴コンプレックス説あり。


≪事件に関わりのある物≫


◆懐中時計

ホームズの懐中時計にはアドラーからの金貨がぶらさがっているというシャーロキアンの妄想(その後の記述はないため実際はわからない)。父親から兄、ワトスンへと受け継がれた懐中時計についての推理をホームズがしたこともある。


◆ソブリン金貨

失業中の馬丁に変装中のホームズがアドラーからもらった。穴を開けて懐中時計にでも記念につけようといった。その後は原作には出てきてないがドラマ等では懐中時計につけてある。


◆紫水晶のついた金の煙草入れ

ボヘミア国王から記念にもらった。エメラルドの指輪は辞退した。


◆アドラーの写真

エメラルドの指輪の代わりにボヘミア王からもらった。


◆ブルー・カーバンクル

『青い紅玉』事件の宝石。青いガーネット。存在しないがつくれるとか? 邦訳のみルビー(サファイアと仲間)。


◆阿片(アヘン)

探偵はアヘン窟に潜入した経歴あり。


◆クロッカス

相手の話をさえぎるために花の出来を話題にする。


◆牡蠣

瀕死を装った探偵の妄言に出てくる。


◆馬車

ほとんどが辻馬車。二輪馬車。乗り合い馬車には一度も乗ってない模様。


◆蝋人形

ホームズ本人そっくりの人形。モラン大佐が額を撃ち抜いた。


◆蛇

まだらの棒で犯人の飼っていたペット。蛇は現実にはミルクを飲まない。


◆(マント)ヒヒ

同上。ホームズが恐ろしさと危険回避のためワトスンの手を握る。


◆ビックリ箱

ワトスンが開けようとした殺人箱。


◆火かき棒

おしかけた犯人がひん曲げたのを、探偵が元に戻した。


◆バター

パセリの沈んだ深さで事件を解決に導いた。らしいがその事件は語られていない。


≪服装≫


◆服

上着にベストにズボンという三つ揃いが基本。フロックコートやらタキシードやら諸々。変装時は気に入りのコスプレ。


◆ガウン

青だったり紫だったり。年を取ってからは灰色。来客中でも着ているが、当時のしきたり的には失礼ではないと見る向きも。執筆中によく着ていたとされるドイルの薄茶色のガウンは競売にかけられたそう。


◆ステッキ(杖)

グールド版や映像では仕込み杖になっていることも。栓抜きになっていたりすると面白い。


◆帽子

山高帽とかいろいろ。鹿撃ち帽は挿し絵画家の創作。


◆タイ

ボウタイ、ネクタイ、スカーフその他。


≪その他≫

◆鹿打ち帽(ディア・ストーカー)

かぶってない。挿し絵画家が気に入っていたのか頻繁に描いたことと、舞台役者が遠くでも目立つようにと着たことから広まった。耳当ては下ろしてない。ちなみに隠れコスプレマニアのドイルは『バスカヴィル家の犬』でパジェットを指名しているため、探偵のコスプレにも異論はないようだ。


◆インバネス・コート

着てない。さらに本来は旅行着なので街中で着るのはおかしい。映像作品で着用するとドヤ顔でつっこみを入れるシャーロキアンが後をたたないためか、近年は控えめに着用。


◆燭台

ろうそく立て。


◆カメラ

学生時代からのドイルの趣味。現像機材まで所有していたという。


◆ストランド・マガジン

ホームズが連載されていた雑誌。


◆チョーク

ドイルが読者から受けたホームズ関連でのいたずらとして、ビリヤードに使うチョークにルパンからの挑戦状が入っていたことがある(ドイル自伝による)。

◆ビリヤード

ワトスンはサーストンという友人としかビリヤードをしないというホームズの推理。


用語

◆VR

探偵が銃弾で壁を撃ち抜いた文字。ヴィクトリア女王の略。


◆バリツ

ホームズがたしなんだ格闘技。んなもんはない。バーティ(ッ)ツ、柔術、武術、の間違えなどいろいろな説あり。旧BBC版ではJapaneseとなっているので、柔術として扱われたっぽい。


◆養蜂

ホームズは若い頃は科学実験に没頭するのが夢だったが、引退後は蜂の研究をした。


◆指紋

二度目に見たらなかったとこにあったというまぬけな犯人の工作により発見。


◆男装

男の格好をしたアドラーが「おやすみなさい、ホームズさん」といったが探偵は気づかなかった。


◆ビッグ・ベン

ロンドンの時計台の別称。


◆スコットランドヤード

ロンドン警視庁。


◆踊る人形

棒人間の暗号。旗を持っていることもある。


場所

◆ベイカー街221B

ホームズとワトスンの下宿の住所。実際には存在しない。


◆ライヘンバッハの滝

教授と格闘したスイス・マイリンゲンの滝壺。落ちたら生還するのは無理と思われる。


◆サセックス

地名。探偵の引退後の場所。


◆ノーベリ(ー)

地名。『黄色い顔』で失態を演じた探偵が、ワトスンに対して耳に囁けと言った言葉。


◆マイクロフト農場

グールド版でホームズ家が所有していたとされる農場の名前。わが農場(マイ・クロフト)と先祖が叫んだためこの名前になった。


◆ペル・メル街

マイクロフトの下宿がある。


◆ディオゲネス・クラブ

他人と一切コミュニケーションをとってはならない引きこもりクラブ。マイクロフトが会員。待合室なら話しても可。下宿の真向かい。


◆トルコ風呂

ソープランドではない。最初は反発していたが結局気に入ってワトスンと二人で通っている。


その他

◆聖典・正典

シャーロック・ホームズ原作のことをシャーロキアンが呼ぶ呼び方。キャノン。聖書の次に読まれている。長編4編、短編56編の計60編。


◆(経)外典

ドイル自身が書いたホームズ戯曲、パロディ的なホームズ、ホームズとは書かれていないが脇役で登場することがあるドイル短編等の総称。


◆シャーロ(ッ)キアン/シャーロ(ッ)キアーナ/ホームジアン(ホームジスト)

ホームズ作品が好きすぎる集団及び個人の呼び方。厳密な分け方はないが、日本ではビギナー含む全体をシャーロッキアン。新解釈を含む研究者をシャーロキアーナ。「シャーロック・ホームズは実在する。ワトスン博士が書いたものである」との見方をするのがホームジアンと呼ばれることが多い模様。コナン・ドイルの存在は彼らの頭からは消されている。近年ではそのようなことはもちろんない……はず。


◆パスティーシュ(パスティッシュ)

ホームズ原作の舞台や人物にそった物語。


◆パロディ(ー)

ホームズを揶揄した物語。及び時代やジャンルを変えた物語。


◆舞台ホームズ

実際はドイルが『まだらのひも』を書いた。かなりの成功を納めている。失敗した共作の舞台は一作きりとなった(ドイル自伝による)。


◆ホームズの学歴

オックスフォードかケンブリッジかで揉めていた。両方を卒業した説あり。中退および二流大学説あり。イートン校からオックスに行っていたならモラン大佐の後輩にあたるはずだが特に何も言ってないため少なくとも寄宿学校には入らなかったっぽい。


◆ホームズ役者説

若い頃に俳優だったのではないかというシャーロキアンの妄想。


◆クーリ(キ)ー病(苦力病)

瀕死を装った探偵がかかった病。んなもんはない。


◆ワトスンの金遣いの荒さ

ホームズがなぜかワトスンの通帳を保管していることからのシャーロキアンの妄想。賭博行為は特に誇張されてないが、パロディではたいてい女と金にだらしない。


◆ホームズの料理

家政婦としても一流だと豪語。実際どうなのかは謎。


◆七時十五分

『まだらのひも』で依頼人に叩き起こされたハドソン夫人がホームズを叩き起こし更にワトソンを叩き起こした時刻。


◆五分

起こしたばかりのワトスンに探偵が支度を急かした時間。


◆コティングリー妖精事件

二人の姉妹が妖精を写真に納めた。ドイルが本物であると論証。実際は紙に描いた絵であった。人々を騙した年月がギネス記録。学生時代からカメラ狂いのドイルはそのことを知っていたが、姉妹が嘘つき呼ばわりされるのを見かねたのではないかと見る向きもある。映画『フェアリーテイル』はこの話が元。


◆心霊主義

ドイルが後期にハマった哲学。講演会は盛況だった。息子の死もありますます傾倒。しかしホームズ作品では合理主義・現実主義を通した。


◆サーの称号

ホームズは辞退。コナン・ドイルは受けた。


◆ボーア戦争

ドイル批判の主たる部分。サーの称号を授与されたのもおそらく著作活動でなくこちらが理由。ドイル本人は辞退するつもりだったが周囲の説得でナイトに叙される。


◆初歩的

エレメンタリー。「初歩的だよ、ワトスン君」の文句が広まったが原作では言ってない。舞台になった際のウィリアム・ジレットの文句。


◆マイ・ディア

ホームズが頻繁に使うワトスンへの呼びかけ。他ドクター、グッド・ボーイ等。家族でもないのにファーストネームで呼びあうのは男色家。


◆男色

監獄行き。海軍でのイギリス水兵の振るまいが原因ではないかといわれている。ちなみにキリスト教色の薄い鎖国中の日本では文化にまでなっていた。島国ならでは。

◆商売女のよう

レストレード警部とグレグスン警部の関係の表現に出てくるが実は意訳。だからどうしたという萌えポイント。

◆イギリスとキス

イギリス人は舌は入れない(真顔)。舌を入れるのはフランス人。フレンチ・キス。

◆イギリスと床(あっち)

車を買うなロシア人。よそで働け中国人。嫁はもらうなアメリカ人。住むのはやめろ日本人。嫁ぐな食べるなイギリス人。


◆イギリスと料理

一に煮て二に煮て三四も煮ちゃって五に犬のえさ。


◆イギリスと紅茶

輸入額が高い故か否か、探偵は珈琲を飲んでいる回数のほうが多いらしい。イギリス原産の茶葉が初めてできたのは2005年。

◆ホームズと日本

夏目漱石(イギリス留学経験あり)とのパロディが多い。しかし探偵は日本に来たこともなければ話題にしたこともない。が、当時の東洋は西洋人の目からはかなりエキゾチックに見えた。ヴェルヌの『八十日間世界一周』では日本も登場。

◆ルソー『告白』

アンズの缶詰めと同じくらいドイルが苦手としているもの。従軍記のなかに出てきた。


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