04 初めてのお友達 『ふあ〜』 今日はここ最近で一番暖かい。屋上でお弁当を食べながら、次の時間はサボってここで寝てしまおうかと思う程にお昼寝日和だ。 そんなことを考えてたら、後ろの方で屋上のドアが開く音がした。こんな所に来るなんて珍しい。お昼休みはいつもここは私だけだから。 その人は私に近付いて、私の少し後ろで立ち止まった。 私に用かな?でも、私知り合いなんてこの学校で一人しかいないし。その人だったら、私に声を掛けるのに迷う理由が無い。 勇気を振り絞ってゆっくりと後ろを振り返ると、暖かい日差しに照らされてきらきらと輝く金髪の人がいた。 ?「あっ…えと…」 その人は驚いた顔をして、次に困ったような顔をして何かを言おうとしていた。 『…?』 暫くしてから彼はふぅ、と息を吐いてから私を見てボソリと呟いた。 ?「この前の、お詫び」 彼の右手には、プリンがあった。 『あっ、そんな!わ、悪いですよ!大丈夫です』 彼は昨日の事を気にしていたみたいだ。私が走っていたのが悪いのに。 ?「いや、でも…」 余計困ったような顔になってしまった。 『じ、じゃあ、お言葉に甘えて…頂きます』 そう言うと彼は安心したようにフッと笑ってプリンを渡してくれた。 ?「あ、一緒に飯くってもいいか?」 『…!是非とも!』 それから私は一緒にお昼ご飯を食べた。彼も私と一緒で甘いものが好きらしい。どこのお店の何が美味しいとか、そんな話で盛り上がった。 ?「そういや、名前聞いてなかったな。」 『そうですね!私苗字名前といいます!』 ?「そうか。よろしくな、苗字」 『はい!えと、お名前伺っても良いですか?』 そういうと彼は驚いた顔をして、すぐに悲しそうな寂しそうな顔をした。 ?「俺は…平和島静雄だ。」 『平和島さんですね。よろしくお願いします!』 予鈴が鳴って、私は次の時間はサボる事を平和島さんに言うと俺もと言って結局学校が終わるまで一緒に屋上でサボってしまった。 こんなのも悪くないな、なんて。 初めてこの学校でお友達が出来ました。 嬉しくて嬉しくて明日からの学校が楽しみになった。 初めて、学校を楽しみだなんて思えた。 [しおり/戻る] |