きっかけがなかったわけじゃない、でも勇気がなかった



ずっと前から好きだった、きっと君が自覚するよりも前から
僕だっていつからなんてはっきりわからないけど、誰よりもポケモンたちを美しく魅せようとする僕がそれさえも投げ捨てて守りたいと思ったのは君だけだから
きっと君は僕なんかに守られなくても自分の身は自分で守れる、逆に誰かを助けてしまうくらい強い。それはそばで見てきた僕でなくてもわかること
だけどそのたくましい中にも繊細でか弱い女の子の部分がある、それに僕は惹きつけられているのだ

喧嘩ばっかりしているけど、僕は君を守りたい。この喧嘩も君が僕を見てくれていると思えば楽しくてやめれない
その時は君は僕のことが嫌いだとおもってた、だからこの繋がりを切らせないために僕は君をからかい続けた、その場しのぎのやり方だ。81日を過ぎたら、また他人になってしまうのか、そう思うだけで時が止まってしまえばいいのにと六つ目のモンスターボールに向かって願うこともあった

「あんたの事が好き」

うっすらと覚えている、でも確かに彼女はそう言った、海のような美しい藍色の瞳は真剣にこちらを見つめていた
僕の胸の中で確かに紅色の炎が燃え上がった
嫌われていなかった、彼女も僕を見ていてくれた、嬉しくて今すぐ抱きしめたかった、今の騒ぎがなかったら彼女を連れて何処かに行っていたかもしれない
本当に恨めしい

騒ぎのせいで彼女の告白もうやむやにしてしまっている。もちろん覚えているけど彼女が僕を思って奮闘しているのが嬉しくてくすぐったくて、もう少し味わっていたかった
そしたら自分の気持ちを打ち明けるタイミングを逃してしまったのだから僕はただのバカなんだろうな

「I love you」

この言葉を紡ぐ日はいつくるんだろう








ルビサファリメイクおめでとうございます!!ルサに幸多からんことを!!!
紅が馬鹿な話、またお題を「確かに恋だった」からお借りしました


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