一年一日一秒一瞬




大人になると時が流れるのが早くなる、とよく聞いたことがある
実際はいつも同じく24時間、1440分、86400秒で地球が一周回る
ただ小さい頃、何が起こるかわからない一日に気持ちが高揚し長く感じる
大人になれば一日のリズムが掴めてしまい、朝起きたら食事をし、仕事に行き、食事をし、帰ってきて食事をし、そして寝る
これの繰り返しとわかっているから一日がすぐに過ぎてしまうらしい
楽しいとき、時間が過ぎるのはそのことに集中しているから
集中すると時間感覚が失われる
逆もしかり、集中することがなければ時間が気になるのは決まっている

時間など、理論的に、世界的に決まっていながら感じる長さはひとそれぞれである
その中にはもちろん俺もいる

「どうしたのグリーン、そんな難しい顔しちゃって?」

ソファーに座っていると後ろからレッドが顔を覗き込ませてきた
うまく言葉が出てこず返事にならないような「んー」といった声で頬を撫でてやれば猫のように擦り寄ってくる

「てかもう日が暮れてるし、はぁ夏だったらまだ明るいのにな」

「暑いのが苦手なお前が何を言う」

そうだけどー、とぼやきながらカーテンを閉めたレッドは俺の隣に腰かけた

「で、どうしたの?」

「別に、もう一年経ったのかと思ってな」

年が変わり一年の始まりの今日
去年の今日をつい最近過ごしたばかりなような気がする

「そうだな〜ってなんかグリーンおじさんくさい」

うるさいと額に指を弾けばキッとこちらを睨んできた、自業自得だ同い年
そう思いながらレッドの肩に頭を乗っけると俺がやったように撫でられた、俺もこれは嫌いではない

「お前といると時間が経つのが早い」

見なくてもどうせポカンとしてるに違いない
へへ、と照れた笑いが聞こえてきたので顔を上げて頬に唇を押し当てた
レッドの照れ顔はちゃんと拝む

「なんか嬉しいかも、そういうの」


時間よ止まれ今すぐに
進むならばどうか、この二人の時間を壊してくれるな







かなり久しぶりのSSの更新ですね
あけおめです、ことよろです
今年も緑赤は夫婦です
スランプです、意味など考えるな!感じろ!


prev next
- ナノ -